引き続き良好な内容だった米国の雇用統計(2018年4月)約17年振りの低さとなった失業率

2018/05/07

引き続き良好な内容だった米国の雇用統計(2018年4月)約17年振りの低さとなった失業率

【ポイント1】雇用者数は16.4万人増

過去2カ月の実績値が上方修正

■2018年4月の非農業部門雇用者数は前月比16.4万人の増加となり、市場予想(ブルームバーグ集計)の同19.3万人増を下回りました。

■しかし、過去2カ月の雇用者数が合計で3万人ほど上方修正されたことを踏まえると、実質的には事前予想通りだったと評価できます。

■3カ月移動平均で測った雇用の増加ペースは月平均20.8万人と、20万人台を維持しました。

 

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【ポイント2】失業率は3.9%に低下

賃金の伸びは引き続き緩慢

■失業率は前月の4.1%から3.9%に低下しました。2000年12月以来の4%割れです。前月に比べ労働供給(労働力人口)が減少したことが主因です。

■賃金上昇率は前月比+0.1%となり、市場予想の同+0.2%を下回りました。前年同月比では+2.6%となります。前年同月比で測った賃金上昇率は、15年後半以降のレンジの上限である+2.8%を、抜くことができない状態が続いています。

 

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【今後の展開】物価・賃金が安定しているため、利上げの速度は緩慢と見られる

■景気・雇用が順調に拡大を続けていることから、今後も利上げは継続される見込みです。物価上昇率は米連邦準備制度理事会(FRB)の目標値である+2%に接近してきましたが、FRBはある程度の物価の上振れは容認するもようです。賃金上昇率の加速が見られないこともあり、利上げの速度は、しばらく緩やかなものにとどまると考えられます。

■雇用統計が公表された5月4日の米国市場では、前日に比べ株価は上昇、債券利回りは同ほぼ横ばいとなりました。堅調な雇用の増加が確認された一方、インフレの原因となる賃金上昇率が安定していることが示されたため、FRBは利上げのペースを加速させることはないとの観測が強まったことによるものです。

 

(2018年 5月 7日)

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