米国の金融政策は現状維持(2018年5月)今後も緩やかな利上げを継続する見通し
米国の金融政策は現状維持(2018年5月)今後も緩やかな利上げを継続する見通し
【ポイント1】政策金利を据え置き
全会一致の決定
■5月1日~2日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)は、市場の予想通り、政策金利(FFレート)の誘導レンジを1.50%~1.75%で据え置くことを、全会一致で決定しました。
【ポイント2】経済に対する評価も修正なし
多少の物価の上振れは容認
■FOMCの声明文によれば、「経済は堅調な速度で成長し、労働市場は引き続き力強さを増した」との評価を維持しました。先行きについても、「緩やかな経済活動の拡大と、力強さを維持する労働市場」を予想しています。
■18年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率+2.3%と、前期の同
+2.9%から鈍化しましたが、FOMCは一時的な減速と判断したもようです。
■物価については、前回の中期的に「目標の+2%近傍で安定する見通し」から、「+2%を中心とする上下対称的な目標値の近傍で推移する見通し」に修正されました。おそらく物価上昇率が目標値を上回っても、小幅であれば容認する姿勢であることを示唆していると考えられます。
【今後の展開】FRBは「緩やかなペースでの利上げ」を継続する見通し
■景気、雇用が順調に拡大していることから、FOMCは今後も利上げを継続する見通しです。物価上昇率は目標とする+2%に接近してきましたが、FOMCの「物価の多少の上振れは容認」するという姿勢を踏まえると、利上げの速度は引き続き緩やかなものとなる可能性が高いと考えられます。
■FOMCが開催された5月2日の米国市場では、債券利回りは前日比ほぼ横ばいとなりました。朝方は雇用関連指標の内容が良好だったことから、債券価格は下落(債券利回りは上昇)しましたが、公表されたFOMC声明文の内容が当初の予想ほどタカ派的ではなかったため、買い戻されました。
(2018年 5月 7日)
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