堅調に推移する原油価格(2018年4月)需給バランスの改善が追い風
堅調に推移する原油価格(2018年4月)需給バランスの改善が追い風
【ポイント1】引き締まる原油需給
需要増とOPEC協調減産が奏功
■石油輸出国機構(OPEC)月報の最新号によれば、2017年の原油需要は世界全体で日量9,707万バレル、前年比1.7%増となる一方、供給はOPECおよび非OPEC産油国による協調減産が効を奏して同9,659万バレル、同0.8%増にとどまりました。この結果、17年の需給バランスは、需要超過に転換したもようです。
■18年は需要が前年比1.7%増の日量9,870万バレル、非OPEC産油国の生産量等が同2.9%増の同6,610万バレル程度と予測されています。従って、OPEC生産量が1~3月期実績の同3,213万バレル前後で推移すれば、需給は引き締まる見込みです。
【ポイント2】緩やかに上昇する原油価格
需給好転、中東情勢緊迫化が影響
■需給好転に加え、中東情勢の緊迫化等により、原油価格はWTIで見て、18年2月初旬の1バレル当たり59ドル台を当面の底に、4月13日の同67.4ドルまで上昇しました。その後も、概ね60ドル台後半の水準で推移しています。
【今後の展開】注目される対イラン経済制裁解除問題とOPEC総会
■市場参加者が注目しているのは、5月12日に期限が切れるイランへの経済制裁解除の延長問題です。米トランプ政権は核合意の見直しを求めており、イランが応じない場合、経済制裁が再開される可能性があります。この場合、イランの原油輸出が日量100万バレル程度減少する可能性があり、需給逼迫要因となりえます。
■6月22日には、OPEC総会が開催される予定です。現行の協調減産の見直しと、19年の協調の協議が議題となっています。各国の生産枠を緩めると、供給過剰に陥る恐れがあるだけに、協調減産に関して、どのような結論が下されるのか注目されます。
(2018年 4月18日)
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