日本株式市場の見通し グローバル製造業PMIと株式市場の連動性が高い
日本株式市場の見通し グローバル製造業PMIと株式市場の連動性が高い
【ポイント1】円/米ドルとの連動性高まる
4月に入り下値堅めの展開
■日本株式市場は、2月に米国金利の上昇、3月に米中貿易摩擦に対する懸念などを背景とした、米国株式市場の調整と米ドル安・円高の進行等から調整を余儀なくされました。4月に入ってからは、一進一退の展開ながら、下値を固める値動きとなっています。
【ポイント2】グローバル製造業PMIと連動
株価はグローバルな景況感に敏感
■東証株価指数(TOPIX)は、世界の製造業の景況感を示すグローバル製造業PMIと高い連動性があります。2016年5月以降の株式市場の上昇は、世界経済の拡大と企業景況感の大幅上昇に沿ったものでした。しかし、グローバル製造業PMIはピークとなった2017年12月の54.5から3カ月連続で低下しています。2018年2月以降の日本株式市場の調整は、米国金利の上昇や米中貿易摩擦問題と共に、グローバルな景況感の鈍化の影響を受けていると見られます。
【今後の展開】半導体売上モメンタムに注目
■製造業の景況感がピークアウトしたのは、(1)2015年4月以降の改善が大きく進み、さらなる改善余地が限られていた、(2)半導体売上モメンタムが鈍化した、などが背景にあると考えられます。
■2月の半導体売上モメンタムは米国と新興アジアの売上が鈍化し、マイナスに転換しました。モメンタムは、しばらくはマイナス基調となる可能性はありますが、半導体は高速通信の普及に伴う需要など中長期的な視点から需要の拡大が続く見込みで、徐々に改善に向かうと見られます。半導体売上モメンタムの改善が株価上昇の条件の1つとなりそうです。
(2018年 4月12日)
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