インフレが落ち着いてきたインドの金融政策(2018年4月)政策金利は据え置き、物価見通しは下方修正
インフレが落ち着いてきたインドの金融政策(2018年4月)
【ポイント1】政策金利は据え置き
6名中1名は利上げに投じた
■インド準備銀行(中央銀行、以下RBI)は4月5日の金融政策委員会(MPC)で、市場予想の通り、政策金利(レポ金利)を6.00%で据え置くことを決定しました。6名の委員のうち5名が据え置き、1名が利上げに投票しました。
【ポイント2】物価見通しを下方修正
野菜価格の落ち着きが主因
■インドの2月の消費者物価指数は前年同月比+4.44%と、1月の同+5.07%から上昇率が低下しました。これは、野菜価格や原油価格が下落したためですが、中銀の物価目標レンジ(+4±2%)に収まっています。
■RBIは物価見通しについて、18年度(18年4月~19年3月)の上半期は前年同期比+4.7~5.1%(前回+5.1~5.6%)、下半期は同+4.4%(前回+4.5~4.6%)と下方修正しました。今後は、食品価格が落ち着いて推移すると見込まれていることが、下方修正の主因です。
【今後の展開】18年度は経済成長が加速する見込み
■RBIは、インドの17年度(17年4月~18年3月)のGDP成長率は+6.6%と、物品サービス税(GST)導入の影響から個人消費の伸びが緩やかとなり、前年度の+7.1%から減速したと予想しています。また、18年度の経済成長については、投資活動に回復が見られていることや、世界的な需要の改善などを背景に、+7.4%へと成長率が加速すると見込んでいます。
■今回のMPCを受けて、インフレ見通しが下方修正されたことから、利上げ観測は一旦後退しました。これにより、インド株式市場ではSENSEX指数は前日比で上昇、債券市場では金利が低下(債券価格は上昇)しました。
(2018年 4月 6日)
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