2018年中国経済の見通し 18年は6.5%成長へ緩やかな減速
2018年中国経済の見通し 18年は6.5%成長へ緩やかな減速
【ポイント1】17年は6.8%に加速
前年を上回る見込み
■17年7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.8%と、4-6月期の同+6.9%からやや減速しましたが、安定した成長が続きました。10-12月期も政府の環境規制の影響などから投資や生産が減少し、緩やかに減速するとみられます。17年の実質GDP成長率は前年比+6.8%が見込まれ、政府目標の+6.5%程度を上回るとともに、16年の成長率も上回る見通しです。
【ポイント2】経済安定重視を継続
18年方針は質向上に重点
■18年の経済政策運営の方針を決める「中央経済工作会議」が12月18~20日に開催されました。同会議では、前年同様、経済の安定を維持しつつ、経済発展を促す路線の継続が示されました。18年の財政政策は積極的、金融政策は中立という基本方針は維持されました。
■また、経済の質の向上に向け、今後3年間で金融システムリスクの抑制、貧困対策、環境対策を進める中期方針が確認されました。18年の重点政策としては、ゾンビ企業を淘汰し、イノベーションを持つ企業を育成する構造改革や不動産価格安定に向けた住宅長期貸付導入などが示されました。
【今後の展開】18年は6.5%成長へ緩やかな減速
■18年の中国の経済成長率は+6.5%を予想しています。景気は17年後半から巡航速度に向けて緩やかに減速し、18年から19年にかけて安定する見通しです。「中央経済工作会議」 において、経済の安定を優先させる方針が継続され、財政政策の維持が見込まれるため、景気の大きな下振れは回避される見込みです。同会議は18年のテーマとして質の高い経済発展を打ち出しており、中国経済は重厚長大型中心からハイテク産業などの新しい体質に変革する取り組みが一層進むと思われます。
(2017年 12月 22日)
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