2018年アジア経済の見通し 18年の新興国アジアは6.9%成長へ加速
2018年アジア経済の見通し 18年の新興国アジアは6.9%成長へ加速
【ポイント1】アジア経済は回復基調
内外需とも好調
■2017年のアジア経済は回復基調が続いています。7-9月期の実質GDP成長率(前年同期比)は、中国・香港を除くアジアの国・地域で4-6月期から加速しました。堅調な欧米景気や安定した中国経済を背景に輸出が伸びている上に、落ちついたインフレ率と低金利の下で個人消費や投資が好調なことが背景です。17年の新興国アジア及びNIESの実質GDP成長率はそれぞれ+6.8%、+3.0%と16年から加速する見通しです。
【ポイント2】インフレ率が安定
17年は低金利政策を維持
■17年のアジア各国・地域のインフレ率は概ね安定的に推移しています。原油価格が落ち着いていたことや食品価格の下落に加え、通貨高がインフレの押し下げ要因となりました。ただし、18年は景気拡大に伴いインフレ率はやや加速するとみられます。
■多くの中央銀行は、米国の利上げが着実に進む中でも、インフレ率の安定を背景に緩和的な金融政策を維持してきました。しかし、韓国が11月末に約6年ぶりの利上げに踏み切るなど、18年は他の中央銀行の一部も利上げに動きそうです。
【今後の展開】18年の新興国アジアは6.9%成長へ加速
■18年のアジア経済は、引き続き世界景気の拡大に伴う外需に加え、低インフレに支えられた個人消費や好調な企業収益、インフラ需要を背景とした投資など内需の増加により、景気拡大を続ける見込みです。18年の実質GDP成長率は、インドやアセアンが牽引し、新興国アジアが+6.9%に加速する一方、NIESは中国景気減速の影響などから+2.7%にやや鈍化すると予想しています。
■18年のアジア各国・地域の金融政策は、景気拡大とインフレ率の加速が予想される中で、フィリピンが利上げに動く見込みであるほか、インドやマレーシアも利上げを行う可能性があります。
(2017年 12月 19日)
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