トルコの金融政策(2017年12月)0.5%の利上げ、トルコリラは失望売り

トルコの金融政策(2017年12月)0.5%の利上げ、トルコリラは失望売り

 

【ポイント1】0.5%の利上げ

利上げ幅は市場予想を下回る

 

■トルコ中央銀行(以下、中銀)は14日の金融政策決定会合で、事実上の貸出上限金利である「後期流動性貸出金利」を0.5%引き上げて12.75%とすることを決定しました。市場(ブルームバーグ集計)では1.0%の利上げが予想されていました。

■その他の政策金利の翌日物貸出金利、1週間物レポ金利、翌日物借入金利はそれぞれ9.25%、8.00%、7.25%で据え置かれました。

 

 

 

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【ポイント2】インフレを警戒

金融引き締め姿勢を維持

 

■中銀は声明文で、引き続き景気に対する強気の見方を示し、現在のインフレ率の水準はインフレ期待や企業の価格設定行動に波及するリスクがあるため、金融引き締めを強化したと説明しました。中銀はインフレ見通しが目標水準に低下するまで、金融引き締め姿勢を維持するとしています。

■今回の利上げが市場予想よりも小幅だった要因としては、中銀が先行きインフレ率が低下すると想定していることに加え、引き締めに否定的なエルドアン大統領への配慮も考えられます。

 

 

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【今後の展開】トルコリラは対米関係を含めた政治情勢に注視が必要

 

■トルコリラ相場は対ドルで、4月の国民投票で大統領の権限強化に向けた改憲案が承認されたことから9月にかけて上昇していましたが、10月以降は、米国とトルコがそれぞれビザの発給業務を停止したことを契機に、対米関係の悪化が嫌気されて急落しました。11月下旬には、1月につけた過去最安値を更新しました。

■トルコリラは14日、利上げ幅が市場予想を下回ったため失望売りから対ドルで大幅に下落しました。今後もトルコリラについては、対米関係を含めた政治情勢や金融政策への注視が必要です。

 

 

 

(2017年 12月 15日)

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