『街角景気』は改善が続き、一段と高水準へ

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「景気ウォッチャー調査」、いわゆる『街角景気』とは、景気に敏感なタクシー運転手やコンビニエンスストアの店長など、地域の景気の動きを敏感に観察できる立場にある約2,000人を対象とした調査です。11月の『街角景気』は、現状判断DIが3カ月連続で改善し、消費増税前の2014年1月以来の高水準となりました。当社独自のテキストマイニングによると、「不安」に関わる単語の使用頻度が減少しています。

【ポイント1】現状判断DIは55.1と、消費増税前以来となる高水準

先行き判断DIは2カ月ぶりに低下するも、50を上回る良好な水準を維持

■8日に発表された11月の『街角景気』は、現状判断DIが前月差+2.9ポイントと大幅に上昇して、55.1となりました。これは、消費増税前の2014年1月以来の高水準です。内訳を見ると、家計動向関連が同+4.1ポイントと大幅に改善しました。このうち住宅関連は低下しましたが、飲食関連は同+7.8ポイントと、10月に大きく落ち込んでいたところから改善しました。また、雇用関連は同+2.5ポイントの62.8と引き続き好調です。一方、企業動向関連は若干低下しましたが、50を上回っています。

■先行き判断DIは前月差▲1.1ポイントと2カ月ぶりに低下したものの、53.8と50を大きく上回る良好な水準を維持しています。家計動向関連と企業動向関連が低下しましたが、いずれも50を大きく上回っています。雇用関連動向は同+2.7ポイントと改善が続いています。

 

 

【ポイント2】ウォッチャーのコメントを分析

先行きは、コスト上昇への警戒が見られる

■街角の声をより客観的に分析する、当社独自のテキストマイニングによる分析手法(*)によると、11月は雨や台風など天候に関わる用語の使用数が大きく減少し、天候要因による消費への下押しが剥落したと考えられます。一方、株価や株高に関わる単語の使用頻度は引き続き高めとなっています。先行きについては、原油やガソリン、高騰などコストに関する用語の使用頻度が増加しており、コスト上昇への警戒が先行きに対する見方をやや慎重化させた可能性もあります。

 

(*)テキスト(文書)をコンピュータで探索する技術の総称。典型的な方法として、テキストにおける単語の使用頻度を測定し、 テキストの特徴を統計的に分析・可視化することで、背後にある有益な情報を探ることができます。

 

 

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【今後の展開】景気に対する明るい見方が続くことに期待

■内閣府は、基調判断を「緩やかに回復している。先行きについては人手不足やコスト上昇に対する懸念もある一方、引き続き受注、設備投資等への期待がみられる」と、前月までの「着実に持ち直している」から判断を引き上げました。同日に発表された日本の実質GDP成長率は速報値から上方修正されたほか、企業業績は来年にかけても好調さを維持すると見られることから、景気に対する明るい見方が続くと期待されます。

 

 

(2017年 12月 12日)

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