米国債券市場の動向(2017年11月)長期金利の上昇は緩慢、ハイイールド債は底堅い展開へ

米国債券市場の動向(2017年11月)長期金利の上昇は緩慢、ハイイールド債は底堅い展開へ

 

【ポイント1】国債利回りは小幅な低下

インフレの低位安定が要因

 

■2017年11月28日の米国10年国債利回りは2.33%、前月末比0.05%の小幅低下となりました。

■米国の景気・雇用は堅調に推移していますが、インフレが落ち着いていることが、金利の上昇を抑制しています。さらに、来年2月に米連邦準備制度理事会(FRB)議長の任期が切れるイエレン氏の後任に、パウエルFRB理事が指名されたことで、現行の「緩やかな利上げ」路線が継続されるとの見方が強まったことも、相場の下支えとなりました。

 

 

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【ポイント2】社債利回り格差は小幅拡大

社債の発行増等による

 

■一方、社債スプレッド(国債と社債の利回り格差)は、10月末に比べ投資適格社債が0.03%、ハイイールド社債が0.18%ほど拡大しました。

■大型の買収・合併(M&A)に関わる資金調達の拡大に伴い社債の発行が増加したことや、年初からほぼ一貫してスプレッドの縮小が続いてきた反動等によると考えられます。

 

 

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【今後の展開】ハイイールド債は底堅い展開へ

 

■良好な景気・雇用を背景に、12月13日、14日開催予定の次回連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げが決定される見通しです。

■その後も利上げは継続されると見られますが、インフレが抑制された環境が続くと予想されるため、利上げの速度は緩慢なものになる見込みです。当面、国債利回りの上昇は抑えられると考えられます。

■景気拡大、税制改革により、企業業績は堅調を維持する見通しです。これはハイイールド社債のスプレッド縮小要因となります。従って、ハイイールド社債は底堅い展開が続くと予想されます。

 

 

(2017年 11月 29日)

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