堅調に推移する豪州経済(2017年11月)金融政策は中立維持の見通し、豪ドルは底堅い展開へ

堅調に推移する豪州経済(2017年11月)

 

【ポイント1】雇用は増勢を維持

家計消費の拡大を支える見通し

 

■2017年10月の雇用者数は、前月比0.4万人の増加でした。雇用者数は月毎の変動が大きいため、振れを均したトレンド値を見ると同2.0万人増となり、失業率を引き下げるのに必要とされる雇用増加数(過去5年間の平均で月間1.5万人増程度)を引き続き上回りました。一方、失業率は9月の5.5%から5.4%に低下しました。雇用の伸びには鈍化の傾向が見られますが、企業の景況感指数が高い水準にあり、採用意欲は強いこと等から、失速の恐れは小さいと考えられます。

■小売売上高は、7月の前年同月比3.5%増から8月の同2.1%増、9月の同1.4%増と勢いが落ちてきました。しかし、労働市場が改善傾向にあるため、今後は再び増加の勢いを強める見通しです。

 

 

 

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【ポイント2】当面、金利据え置きの見通し

景気は堅調だが、物価が目標に未達

 

■直近7-9月期の消費者物価上昇率は、豪州準備銀行(RBA)が重視するトリム平均値で見て、前年同期比+1.8%となりました。

■RBAの目標レンジである+2%~+3%の下限を引き続き下回りましたが、RBAは、①企業部門の好調が家計部門に波及するにつれて、経済成長率は加速する、②物価上昇率もRBAの目標レンジに向かって緩やかに高まる、との見通しを据え置きました。これから判断すると、RBAは、今後も中立の政策スタンスを維持すると考えられます。

 

【今後の展開】豪ドルは底堅い展開へ

 

■足元の豪ドルの対円相場は軟調に推移していますが、金融政策がRBAの中立姿勢維持に対して、日銀は緩和姿勢継続の見通しであること、鉄鉱石等の資源価格の持ち直しが見込まれること等から、今後は底堅い展開が予想されます。

 

 

 

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(2017年 11月 27日)

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