日本株式市場の見通し デフレからの脱却が進む中、株式市場は堅調に推移
日本株式市場の見通し デフレからの脱却が進む中、株式市場は堅調に推移
【ポイント1】利益確定売りで調整
予想株価収益率が18倍台へ
■11月15日の東京株式市場は、日経平均株価で2万2,028.32円と6日続落となりました。これまでの上昇ピッチが速く、予想株価収益率(12カ月先行予想利益ベース)が本年1月以来の18倍台となるなど、やや過熱感が広がったことから、利益確定の売りが増加したことが背景です。
【ポイント2】中間決算は好調
18年度も製造業がけん引役に
■2017年度上期の決算発表(東証一部、除く金融)は14日段階でほぼ出揃いました。QUICKによれば、前年同期比で売上高は+8.6%、営業利益は同+17.7%、経常利益は同+22.4%、当期利益は同+14.7%と好調な内容となりました。製造業の経常利益は同+37.7%の伸びで、利益成長をけん引しました。
■2017年度上期の経常利益の対前年同期比を業種別に見ると、「鉄鋼」が3.4倍、「石油・石炭製品」が2.6倍、「その他製品」が2.0倍と好調でした。利益規模が大きい上位三業種を見ると、「輸送用機器」は+16.7%でした。次いで大きい「情報・通信業」は▲9.6%となったものの、「電気機器」が+65.7%と大きく伸びました。
■2017年度通期の経常利益は前年度比+15.0%となる見通しで、過去最高益を更新すると予想されます。2018年度は同+8.8%に低下すると見られますが、製造業の2桁増益は続く見通しであり、引き続き製造業がけん引することになりそうです。
【今後の展開】デフレからの脱却が進む中、株式市場も堅調に推移
1.日本の名目GDPは2018年にさらに拡大する見通し
■内閣府が15日に発表した2017年7-9月期の実質GDP成長率(一次速報)は前期比年率+1.4%となりました。堅調だった4-6月期からは減速したものの、7四半期連続で潜在成長率(年率0.7%強、弊社予想)を上回る成長が続いています。
■また、名目GDP成長率は同+2.5%となりました。GDPデフレーターが前年同期比+0.1%と5四半期ぶりにプラスに転じており、デフレからの脱却が鮮明化しつつあります。
■名目GDPは、日本がデフレ期に入る直前の1997年10-12月期に536.6兆円となって以来、それを更新できませんでした。しかし、アベノミクス開始以降(2012年10-12月~2017年4-6月期)、名目GDPは平均+2%程度の成長を続け、2017年7-9月期に545.8兆円と過去最高を更新しました。今後も名目ベースで+2%程度の成長が継続すれば、2019年1-3月期には560兆円を超える規模まで拡大する可能性が高まります。
■長期でみれば、名目GDPと株価は連動して動く傾向があり、2018年末にかけて日本株の上昇も期待できそうです。
2 .2018年度は賞与の拡大が消費をサポート
■日本経済は、好調な海外経済を背景に輸出が伸び、雇用が堅調なことで個人消費も緩やかな持ち直し傾向が続き、2018年度は賞与の拡大も期待できそうです。
■賞与と企業業績の関係を見ると、業績が改善した翌年度は賞与が拡大する傾向にあります。海外景気や為替水準、地政学リスクなど不透明要因はありますが、今年度の上期、通期の好業績が反映される来年度のボーナスは拡大すると予想されます。賞与拡大は消費をサポートする要因になると見られ、株式市場にもプラスに作用すると期待されます。
(2017年 11月 16日)
印刷用PDFはこちら↓
今日のマーケット・デイリー 日本株式市場の見通し デフレからの脱却が進む中、株式市場は堅調に推移
関連マーケットレポート
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会