日銀の金融政策(2017年10月)日米金利差の拡大は円安・株高要因

日銀の金融政策(2017年10月)日米金利差の拡大は円安・株高要因

 

【ポイント1】金融政策は現状維持

市場の予想通り

 

■日銀は31日、市場の予想通り、金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定しました。短期の政策金利を▲0.1%、長期金利である10年物国債利回りをゼロ%程度に操作する金融調節を維持します。また、長期国債を買い増すペースも年約80兆円を目途とすることを据え置きました。

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【ポイント2】実質GDP見通しは上方修正

物価見通しは下方修正

 

■同日、日銀は「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」を発表しました。17年度の実質GDP成率見通しを需給ギャップの改善などを根拠として、見通しの中央値を1.8%から1.9%へ上昇修正しました。18、19年度については見方には変更はなく、潜在成長率を上回る成長を続けるとしています。

■物価については、日銀は前回の展望レポート以降、企業の賃金・価格設定スタンスが慎重なものにとどまっていると指摘し、前年比上昇率の見通し(中央値)を7月時点から17年度は1.1%から0.8%に、18年度は1.5%から1.4%に引き下げました。「物価安定の目標」である2%程度に達する時期は2019年度頃とし、変更はありませんでした。

 

 

 

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【今後の展開】金利差拡大は円安・株高要因

 

■日経平均株価は10月24日まで過去最高の16日連続で上昇するなど、堅調に推移しています。日銀は今後も2%の「物価安定の目標」の達成に向けて、金融緩和を継続していくと見られます。一方で、米国では景気拡大を背景に、連邦準備制度理事会(FRB)は保有資産の規模縮小の開始、追加の利上げも実施すると見られます。金融政策の違いによって今後の日米金利差は拡大する方向にあると見られ、日米金利差の拡大が円安要因となりそうです。円安は堅調に推移している株価の下支え要因となりそうです。

 

(2017年 10月 31日)

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