トルコの金融政策(2017年10月)金融政策は据え置き、トルコリラは急落
トルコの金融政策(2017年10月)金融政策は据え置き、トルコリラは急落
【ポイント1】金融政策は据え置き
据え置きは市場の予想通り
■トルコ中央銀行(以下、中銀)は26日に金融政策決定会合を開催し、現行の金融政策を維持しました。
■事実上の貸出上限金利として使用する「後期流動性貸出金利」は12.25%、主要な政策金利の翌日物貸出金利、1週間物レポ金利、翌日物借入金利はそれぞれ9.25%、8.00%、7.25%で据え置きました。金融政策の据え置きは、市場予想(ブルームバーグ集計)通りでした。
【ポイント2】引き締め姿勢を維持
インフレリスクを警戒
■中銀は声明文で、トルコ経済について、内需の改善が続いていることに加え、ユーロ圏の需要拡大が輸出の増加に寄与しているとし、引き続き景気に対する強気の見方を示しました。
■一方、物価については、現在の高めのインフレ率の水準は企業の価格設定行動に影響するリスクがあると指摘しました。中銀はインフレ見通しがターゲット水準に達するまで、引き締め的な金融政策を維持するとしています。
【今後の展開】トルコリラはトルコと米欧との関係に注視が必要
■トルコリラ相場は対ドルで、17年1月の過去最安値から底入れ後、4月の国民投票で大統領の権限強化に向けた改憲案が承認されたことを契機に上昇基調を辿り、9月には16年11月の水準まで戻していました。
■しかし、10月に入り、米国とトルコがそれぞれビザの発給業務を停止したため、関係悪化を嫌気してトルコリラは急落しました。さらにドイツがトルコへの資金拠出の削減姿勢を見せているとの報道もあり、過去最安値に迫る水準に下落しています。今後トルコと米欧との関係について注視が必要です。
(2017年 10月 27日)
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