インドの経済・市場動向(2017年10月)景気は持ち直しへ、株式、通貨はしっかり
インドの経済・市場動向(2017年10月)景気は持ち直しへ、株式、通貨はしっかり
【ポイント1】製造業PMIは連続50超
7月のGST導入の混乱は概ね終息
■9月の製造業PMI (購買担当者景気指数)は51.2と、8月から横ばいでした。7月に導入された物品サービス税(GST)による影響から受注や生産が減少し、PMIは7月に景気判断の節目となる50を割れる水準に急落しましたが、8月、9月と50を上回り、回復しています。
■PMIの動きを踏まえれば、GST導入による混乱は概ね終息したと考えられます。今後はGSTによる物流コストの低下などポジティブな面の影響が大きくなり、景気は緩やかに持ち直す見込みです。
【ポイント2】消費者物価は横ばい
金融政策は据え置きの見込み
■9月の消費者物価指数は前年同月比+3.3%と、8月から横ばいでした。ただし、変動の大きい食料、燃料、光熱費を除くと、8月の同+4.4%から9月は同+4.6%と加速しており、物価は6月を底に上向いていることが確認されました。
■足元のインフレはインド準備銀行(中央銀行、RBI)の物価目標(+4%)を下回っていますが、上述の通り、インフレも経済成長率も緩やかに高まっていくと見られるため、RBIは金融政策を据え置くと思われます。
【今後の展開】景気は持ち直しへ、株式、通貨はしっかり
情報技術セクターが引き続きけん引役
■インド経済はGST導入の影響から一時的に足踏みしましたが、GSTを巡る混乱は早期に終息し、景気は持ち直すと見られます。主要株価指数SENSEXは足元で過去最高値圏にあります。中長期的にはGST導入による経済の効率化から企業の利益成長加速が期待され、インド株式は堅調な展開が期待されます。インドルピーは、財政悪化懸念から対ドルで調整する局面がありましたが、株価上昇に伴い反発しました。今後も経済の高成長や改革期待を背景にインドへの資金流入が見込まれ、底堅く推移すると思われます。
(2017年 10月 18日)
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