米国株式市場の見通し トランプ政権への期待と燻る不透明感

米国株式市場の見通し トランプ政権への期待と燻る不透明感

 

【ポイント1】 S&P500種指数は2日続けて史上最高値更新

トランプ政権による税制改正に期待

 

■12日の米国株式市場は、S&P500種指数が前日比+0.34%の2,496.48と2日続けて史上最高値を更新しました。NYダウ工業株30種が同+0.28%の22,118.86ドル、ナスダック総合指数が同+0.34%の6,454.28といずれも史上最高値を更新しました。

■12日は、国連安全保障理事会で北朝鮮への追加制裁が決議され、地政学リスクがひとまず落ち着いたことで市場に安心感が広がりました。また、トランプ政権による税制改正実現に向けた取り組みに対する期待も強まったと考えられます。

■一方、世界景気の拡大に伴って、S&P500種指数の1株当たり予想利益は堅調に推移しています。また、予想株価収益率は200日移動平均線付近で推移しており、過熱感はありません。

 

 

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【ポイント2】 主要セクターの株価は堅調

堅調な業績が後押し

 

■12日のS&P500種指数の主要セクターの株価動向は、金融セクターが前日比+1.2%と指数全体の上昇をけん引しました。最近は、ヘルスケアやエネルギーセクターも上昇基調に転じています。また、情報技術セクターは16年以降堅調な推移が続いており、7月以降の調整局面の中では指数全体を下支えしました。

■業績は、情報技術セクターが堅調です。2017年の情報技術セクターの予想増益率(トムソンロイター調べ9月12日)は前年比+14.2%と、7月の同+12.2%から上方修正されています。S&P500種も同+11.5%(7月同+11.4%)と堅調ですが、これを上回る上方修正です。

 

 

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【今後の展開】 経済、企業業績は好調で、株式市場は堅調に推移する見通し 今後のイベントに注意

 

■株式市場は、経済、企業業績の好調さが維持される中、北朝鮮情勢やハリケーン(イルマ)を巡る緊張が緩和されたことから堅調さを取り戻す流れが続きそうです。

■当面は、トランプ政権の税制改正実現に向けた動きを確かめることになりそうです。

■また、年末までの主なイベントを見ると、12月は連邦債務法定上限の引き上げの期限や暫定予算の期限が控えるなど、政治が混迷するリスクは残ります。また、北朝鮮がこれまで以上の軍事的挑発に踏み切る可能性が残っていること等から、不透明感は燻っています。今後のイベントには引き続き注意が必要です。

 

 

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(2017年 9月 13日)

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