『法人企業統計』、企業収益は増収増益
<今日のキーワード>『法人企業統計』、企業収益は増収増益
『法人企業統計』は、国内企業約2万2,900社(うち金融・保険業以外は約1万9,400社)の財務諸表を集計した統計です。全産業(金融・保険業除く)の売上高は、前年同期比+6.7%、経常利益は同+22.6%、経常利益率が6.8%に高まるなど企業収益は好調でした。一方設備投資は伸び悩みましたが、好調な企業収益を背景に設備投資は回復に向かう可能性があると考えられます。 |
【ポイント1】 設備投資は伸び率鈍化だがプラスは維持
非製造業は好調も製造業がマイナスに転じる
■財務省は1日、2017年4-6月期の『法人企業統計』を発表しました。全産業(金融・保険業除く)の設備投資の伸び率は前年同期比+1.5%とプラスは維持しましたが、前四半期の同+4.5%からは鈍化しました。業種別では、非製造業はサービス業などが増加して同+6.9%でしたが、製造業は輸送用機械などが減少して同▲7.6%と前四半期の同+1.0%からマイナスに転じました。
■国内総生産(GDP)の改定値を算出する基礎となり、注目度の高いソフトウエア除く全産業の設備投資額の季節調整後の前期比は▲2.8%となりました。
【ポイント2】増収増益傾向が続く
景気回復に伴う売上増が寄与
■全産業(金融・保険業除く)の売上高は、前年同期比+6.7%と3四半期連続で増加しました。製造業は輸送用機械、生産用機械、金属製品の増収などから、同+4.8%、非製造業は卸売業、小売業、サービス業の増収などから同+7.4%となりました。
■経常利益は前年同期比+22.6%と、4四半期連続の増益で、前期に続き20%を上回りました。国内外の景気と関連の強い輸送用機械、化学、電気機械などの寄与から製造業が+46.4%の増益となりました。
【今後の展開】好調な企業収益を背景に設備投資も回復の見込み
■今回の『法人企業統計』は、国内景気が回復傾向にあることを示しました。ただし、設備投資は伸び悩み、今回の結果を受けて、9月8日に公表される4-6月期GDP成長率2次速報値は下方修正されるとみられます。
■企業収益はデータ入手可能な1954年4-6月期以降で全産業の経常利益率が6.8%と最高になるなど好調が続いています。また現預金は増加しており、人手不足対策など設備投資は回復に向かう可能性があると考えられます。
(2017年 9月 4日)
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