鉄鉱石・石炭の価格と豪ドルの動向(2017年8月)需給改善で価格は堅調、豪ドル高の支援材料になろう
鉄鉱石・石炭の価格と豪ドルの動向(2017年8月)
【ポイント1】鉄鉱石、石炭価格は底入れ
ともに上昇軌道へ
■鉄鋼の主原料となる鉄鉱石の価格は、17年6月上旬の1トン当たり54ドルを当面のボトムに反発、足元では同80ドル近傍まで上昇しました。
■石炭の価格は、燃料炭、原料炭とも今年5月から6 月にかけて底入れし、直近では燃料炭が1トン当たり100ドル弱、原料炭が同200ドル弱の水準で推移しています。
【ポイント2】中国の需要が拡大
在庫調整も緩やかに進展
■中国では、高い経済成長に加え、社会資本整備のための公共投資拡大により、鋼材の消費量が増勢を強め、価格も上昇基調にあります。これに伴い鉄鉱石、原料炭の需要も拡大しています。
■需要の増加と生産調整の効果により、中国国内における鉄鋼石、石炭の在庫調整も緩やかに進みつつあります。世界最大の鉄鉱石および石炭消費国である中国での需給改善により、鉄鉱石、石炭の価格は今後も底堅く推移すると予想されます。
【今後の展開】豪ドルは堅調に推移しよう
■豪ドルの対円相場は、鉄鉱石や石炭等の資源価格の持ち直しや、日豪金利差の拡大などを受け、今年4月中旬を当面の底に戻り歩調にあります。
■足元の豪ドルの対円相場はやや軟化していますが、①資源価格の持ち直し、②豪州の貿易収支改善、③日豪の金融政策の方向性の違い(豪州は中立姿勢維持の見通し、日本は緩和姿勢継続)等から、堅調に推移すると予想されます。
(2017年 8月23日)
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