原油価格の動向(2017年8月)原油価格の鍵を握るOPECの協調減産
原油価格の動向(2017年8月)原油価格の鍵を握るOPECの協調減産
【ポイント1】OPECの生産量が拡大
OPEC生産枠を小幅ながら超過
■石油輸出国機構(OPEC)月報の2017年8月号によれば、7 月のOPEC 総生産量は日量3,287万バレルとなり、4-6月期の同3,229万バレルを上回りました。
■7月の生産量は、16年11月のOPEC総会で合意に達した生産枠の上限を超えています。内戦の影響等を考慮され、減産を免除されているリビア、ナイジェリアの増産によるものです。
■OPEC諸国の7月の減産遵守率は75%と、今年1月に減産を開始して以来の最低を記録しました。
【ポイント2】17年は需要超過の見通し
世界経済の拡大で需要が増大
■一方、原油の需要は、世界的な景気拡大を背景に堅調に推移しています。国際エネルギー機関(IEA)によれば、17年の原油需要は世界全体で日量9,760万バレル、前年比同150万バレルの増加が見込まれます。
■非OPEC諸国の供給量が同70万バレル増の同5,810万バレル程度と予測されることから、OPECが現状程度の生産量を維持すれば、原油の需給は14年~16年の供給超過から17年に需要超過へと転換する見通しです。
【今後の展開】原油価格はレンジ内で推移へ
■産油国の協調減産が維持される限り、原油価格が大きく下落する公算は小さい一方、価格が上昇すれば、シェールオイル増産の可能性が高まります。従って原油価格は当面のところ、1バレル当たり40~50ドル程度で推移する見通しです。
(2017年 8月16日)
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