『街角景気』、DI低下も「不安」コメントは減少
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「景気ウォッチャー調査」、いわゆる『街角景気』とは、景気に敏感なタクシー運転手やコンビニエンスストアの店長など、地域の景気の動きを敏感に観察できる立場にある約2,000人を対象とした調査です。7月の『街角景気』は現状・先行き判断DIともに小幅に低下しましたが、現状のコメントについては「不安」、「節約」といったネガティブなコメントは減少しました。当社独自のテキストマイニングによる分析結果も併せてご紹介します。 |
【ポイント1】現状判断DI・先行き判断DIは小幅ながら4カ月ぶりに低下
基調の変化ではなく、一時的なものか
■7月の現状判断DIは、49.7ポイント(6月50.0)となり、4カ月ぶりに低下しました。内訳をみると、家計動向関連が横ばい、企業動向関連が▲1.4ポイント、雇用関連が▲0.4ポイントとなりました。ただし、原数値では51.0ポイント(6月49.9)と、景気判断の節目となる50ポイントを上回っています。豪雨に見舞われた九州が▲3.7ポイントと大きく低下して全体を押し下げたことを考慮すれば、景気の基調的な変化を示すものではないと考えられます。
■先行き判断DIは、50.3ポイント(6月50.5)となり、こちらも4カ月ぶりに低下しました。ただし、低下は小幅で、景気判断の節目となる50ポイントは上回っています。家計動向関連が▲0.4ポイント、企業動向関連が▲1.2ポイントと低下した一方で、雇用関連は+3.2ポイントと大きく上昇しました。
【ポイント2】ウォッチャーのコメントを分析
現状判断の「不安」コメントは減少
■街角の声をより客観的に分析する、当社独自のテキストマイニングによる分析手法(*)によると、7月は「不安」や「節約」に関するネガティブな単語の使用頻度が減少し、消費にプラスと言われる「猛暑」に関する単語が前年より増加するなど、総じてポジティブな単語が前月より増加しました。7月の消費も引続き堅調を維持したと考えられます。
■一方、先行きコメントについては、豪雨や政治に関する単語が増加しました。調査時点で、内閣支持率が低下し、政治的な不透明感が強まったことがウォッチャーの景況感を抑制したと考えられます。
(*)テキスト(文書)をコンピュータで探索する技術の総称。典型的な方法として、テキストにおける単語の使用頻度を測定し、テキストの特徴を統計的に分析・可視化することで、背後にある有益な情報を探ることができます。
【今後の展開】人手不足への懸念が景気回復にあたえる影響に注目
■7月調査では、現状・先行きともに人手不足についてのコメントが増加しました。人手不足を受けて人件費の高騰が続くという懸念もありますが、内閣府は、「持ち直しが続いている」と基調判断を維持しました。今後、人手不足への懸念が、景気回復のペースや景況感にどのように影響を与えるのかが注目されます。
(2017年 8月 10日)
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