米景気の持続的な拡大を示す雇用統計(2017年7月)雇用は増加、失業率は低下したが、賃金上昇は緩慢

2017/08/07

米景気の持続的な拡大を示す雇用統計(2017年7月)雇用は増加、失業率は低下したが、賃金上昇は緩慢

 

【ポイント1】雇用は20万人超の増加

民間サービス業が雇用増を牽引

 

■2017年7月の非農業部門雇用者数は、前月比20.9万人増でした。前月の同23.1万人増からは鈍化したものの、ブルームバーグ集計による市場予想の同18.0万人増は上回りしました。

■内容を見ると、民間部門の雇用が前月の19.4万人増から20.5万人増へと、増加幅が拡大しました。サービス業が、教育・医療、娯楽などを軸に同16.2万人増から18.3万人増に加速したためです。

 

20170807us1

 

 

 

 

【ポイント2】失業率は小幅に低下

賃金は緩やかに増加

 

■失業率は前月の4.4%から4.3%に低下しました。労働力人口は増えました(労働供給の増加)が、就業者数も、ほぼ同等の増加となった(労働需要の拡大)ためです。景気拡大の長期化に伴い、企業は人員増強を進めていると見られます。

■賃金上昇率は前月比0.3%、前年同月比では2.5%でした。労働需給は引き締まってきましたが、賃金の増加率はなかなか加速しません。企業がコスト抑制のため、賃金の低いパートタイマーの採用を増やしていることなどが一因と考えられます。

 

20170807us2

 

 

 

 

【今後の展開】金融政策の正常化は緩やかに進められよう

 

■雇用統計が公表された8月4日の米国市場では、雇用者数が市場予想を上回る増加となったことを受け、債券利回りが上昇、米ドルは主要通貨に対して上昇しました。一方、賃金の増加率が引き続き緩やかなものにとどまったことから、金融緩和解除のペースは緩慢になるとの見方が強まり、株価は値上がりしました。

■米景気・雇用の拡大が続いていることから、米連邦準備制度理事会(FRB)は、今後も利上げを継続するとともに、FRBが保有する資産の圧縮にも近く着手すると予想されます。ただし、物価が落ち着いていることを踏まえると、金融政策の正常化は慎重に進められると見られます。このため、景気や金融市場に及ぼす影響は限定的と考えられます。

 

(2017年 8月7日)

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー 米景気の持続的な拡大を示す雇用統計(2017年7月)雇用は増加、失業率は低下したが、賃金上昇は緩慢

 

関連マーケットレポート

2017年7月31日 米国のGDP成長率(2017年4-6月期速報値)
2017年7月27日 米国の金融政策(2017年7月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ