ユーロ圏経済と通貨の動向(2017年8月)良好な経済と政治の安定感で、ユーロ相場は堅調に推移

ユーロ圏経済と通貨の動向(2017年8月)

 

【ポイント1】ユーロ圏景気は堅調

実質GDPのプラス成長が続く

 

■ユーロ相場は上昇基調にあります。背景には堅調なユーロ圏景気があります。2017年4-6月期のユーロ圏の実質GDP 成長率( 速報値) は前期比+0.6%となりました。成長率は市場予想(ブルームバーグ集計、以下同様)の通りで、2013年4-6月期以降、プラス成長を維持しています。

■景気の先行きを見るうえで参考となる、欧州委員会による7月のユーロ圏総合景況感指数は、111.2と市場予想の110.8を上回りました。サービス業が前月から改善し、今後も景気が堅調に推移することを示唆する内容でした。

 

 

 

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【ポイント2】金融政策は緩和維持

今秋にも量的緩和縮小を発表か

 

■欧州中央銀行(ECB)は、中銀預金金利のマイナス金利などの金融緩和を行っています。景気は堅調ですが、インフレ圧力がさほど高まっていないため、政策金利は当面据え置かれると見られます。一方、量的緩和策である資産購入プログラムは、少なくとも2017年末まで月600億ユーロの国債や社債などを購入する方針が示されていますが、今秋にも見直しが行われると見られます。

 

 

 

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【今後の展開】良好な経済と政治の安定感がユーロの堅調な推移を下支え

 

■ユーロ圏景気は、今後も輸出や投資が堅調に推移すると見られ、7-9月期以降も順調な成長が続くと見込まれます。また、年前半に主要国で実施された重要選挙を波乱なくこなし、政治的にも安定が続きそうです。一方、米国では景気が堅調な中、トランプ政権は重要ポストの相次ぐ交代やオバマケア改革の審議難航など政治的な不透明感が増し、今後の経済成長にも影響を与えそうです。こうした相対的に良好な経済と政治の安定感がユーロの堅調な推移を支えそうです。

 

(2017年 8月2日)

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