『ドル安』か円高か?
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ドル円相場は7月11日の1米ドル114.47円から緩やかに『ドル安』・円高が進んでいます。現在は、米国の動向が主な要因となっていることから、『ドル安』が進んでいると考えられます。今後は一時的に110円を下回る『ドル安』・円高が進む場面もありそうです。ただ、米国経済の成長ペースは年末から来年にかけて持ち直すと見られ、景気後退を懸念する必要はなく、いずれ『ドル安』に修正が入り、ドル高・円安に回帰すると考えられます。 |
【ポイント1】『ドル安』の流れが継続中
■ドル円相場は、8月1日に1米ドル110.14円と、7月11日の114.47円から緩やかに『ドル安』・円高が進んでいます。これは、①ロシア疑惑の再浮上やトランプ政権の人事の混乱、政策の取り組みの遅れ、②米国のインフレ率の低下など弱めの経済指標を受けた利上げ期待の後退、などが背景にあると考えられます。
■特に、米連邦公開市場委員会(FOMC)は7月26日に公表した声明で、バランスシートの縮小開始の前倒しを示唆する一方、物価の見通しを小幅に下方修正しました。市場はこれを米金融当局は利上げに慎重と解釈し、『ドル安』・円高が進みました。足元のドル円相場の動きは、米国の動向が主な要因となっているほか、ドルが他通貨に対しても広く下落していることから、『ドル安』が進んでいると考えることができます。
【ポイント2】引き続き経済指標の強弱を見極める展開
■ドル円相場にとって、今後の注目材料は経済指標です。米連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシートの縮小が発表されるタイミングは9月と思われますが、市場では織り込みが進んでおり、米金利の上昇要因とはなりにくいと考えられます。こうした中、米国の経済指標の改善度合いや物価の持ち直しが進むかなど、引き続き経済指標の強弱を見極める展開が続きそうです。
【今後の展開】いずれ『ドル安』に修正が入り、ドル高・円安へ
■米国経済は、昨年からの循環的な回復が一服する局面にあると考えられます。そのため、物価の伸び悩みなど、比較的弱めの経済指標がしばらく続く可能性があり、一時的に1米ドル110円を下回る『ドル安』・円高が進む場面もありそうです。ただ、米国経済の成長ペースは年末から来年にかけて持ち直すと見られ、景気後退を懸念する必要はないと考えられることから、いずれ行き過ぎた『ドル安』に修正が入り、その後はドル高・円安に回帰すると考えられます。
(2017年 8月 2日)
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