南アフリカの金融政策(2017年7月)予想外に政策金利を引き下げ、年内にも追加利下げへ
南アフリカの金融政策(2017年7月)予想外に政策金利を引き下げ、年内にも追加利下げへ
【ポイント1】政策金利を0.25%引き下げ
市場の予想外
■南アフリカ準備銀行(中央銀行、以下中銀)は20日の金融政策委員会で、政策金利(レポ金利)を0.25%引き下げ、6.75%としました。利下げは市場の想定外で、サプライズとなりました。6名の委員のうち4名が利下げを支持した一方、2名が据え置きに票を投じました。
【ポイント2】経済見通しを下方修正
物価見通しは改善
■中銀は経済見通し(実質GDP成長率)について、17年を前年比+0.5%(前回+1.0%)、18年を同+1.2%(+1.5%)、19年を同+1.5%(+1.7%)と、下方修正しました。また、消費や投資の弱さから、経済見通しに対するリスクは下振れとしました。
■一方、物価見通しは、17年を前年比+5.3%、18年を同+4.9%、19年を同+5.2%と、前回からそれぞれ引き下げました。原油価格と電力料金の想定を引き下げたこと等が背景です。
■中銀は経済見通しの悪化と物価見通しの改善を踏まえて、利下げを決定したと説明しました。
【今後の展開】中銀は追加利下げの見込み
■中銀はこれまで金融緩和に慎重な姿勢を続けてきましたが、経済見通しの悪化や物価見通しの改善に加えて、足元の通貨ランドの落ち着いた動きや、主要先進国の金融引き締め観測がある程度市場に浸透したと見られることも、利下げを実施した背景と思われます。中銀は年内にも追加利下げを行うと見込まれます。
■ランドは20日、予想外の利下げを受けてやや下落しました。新興国通貨が見直されるなか、ランドは底堅く推移してきましたが、今後は中銀の追加利下げ観測や不安定な政治リスク等が上値を抑えそうです。
(2017年 7月21日)
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