『オフィスビル空室率』は低水準が続く(日本)
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『オフィスビル空室率』、平均賃料は、オフィスビル仲介大手の三鬼商事が、毎月中旬頃にホームページに公表しています。2012年には9%台であった空室率は3%台まで低下し、平均賃料は上昇基調となりました。ただ3%台と良好な空室率にもかかわらず、平均賃料は緩やかな上昇にとどまっています。今後の空室率と平均賃料の動向が注目されます。 |
【ポイント1】6月の都心5区の空室率は3.26%
新築・既存ビルでの大型の成約が全体の低下に寄与
■7月13日に発表された三鬼商事の都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の6月の『オフィスビル空室率』は、前月比▲0.15ポイントの3.26%となりました。空室率は、2012年の後半から緩やかな低下傾向が続いています。中でも、新宿区は1.74%、渋谷区は2.02%と極めて良好な水準となっています。
■6月は、新築ビル1棟が募集面積を残して竣工したものの、竣工1年未満の新築ビルに拡張移転、既存ビルで統合などに伴う大型成約があったことなどから空室率が低下し、全体の低下に繋がりました。
【ポイント2】平均賃料は42カ月連続の上昇
緩やかな賃料上昇が続く
■6月の都心5区の平均賃料は、坪当たり18,864円でした。前年同月比+3.77%、前月比+0.34%と、42カ月連続の上昇となりました。
■新築ビルの6月の平均賃料は前月比では+1.64%となりましたが、前年同月比では▲3.22%と大幅下落となりました。新築ビルの『オフィスビル空室率』は、昨年10月以降上昇傾向にあり、6月は前月比で▲1.23%低下しましたが、28.18%と依然高水準にあり、賃料上昇の抑制要因となっていると考えられます。一方、既存ビルの平均賃料は前年比+4.01%、前月比+0.35%となり、緩やかながら賃料の上昇が続いています。
【今後の展開】当面は『オフィスビル空室率』の低水準が続く見込み
■景気回復を背景にオフィスへの需要は引き続き堅調とみられ、2017年内は供給される大型ビルが限定的であるため、当面空室率は低水準で推移すると見込まれます。低水準の空室率が平均賃料を下支えすると見られますが、一段の平均賃料の上昇には、平均賃料に対して先行性のある新築ビルの空室率の低下が続くかがポイントになります。
■日本では金融緩和が続き、長期金利が低水準で推移すると見られ、良好な空室率や低金利は、オフィスビルを主体とする日本のリート市場の下支え要因と考えられます。
(2017年 7月 18日)
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