欧州の『選挙イヤー』、上半期をプレイバック!
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2017年は欧州各国で重要な選挙が目白押しの『選挙イヤー』です。昨年英国がEU離脱を選択したことに代表される、欧州でのポピュリズムの高まりがどのような選挙結果となって表れるかがその一つの焦点となっています。『選挙イヤー』の上半期を振り返ると極右政党の政権奪取はなく、金融市場等では一定の安心感が広がっています。今回は『選挙イヤー』の下半期に向けて、これまでの動向を改めて整理してみましょう! |
【ポイント1】オランダでは与党が政権を維持、フランスではマクロン大統領誕生
フランスは下院選挙でもマクロン新党が過半数の躍進
■欧州の『選挙イヤー』の皮切りとなったのが3月のオランダ総選挙でした。投票率は80%超と大変高く、国民の関心が高かったことが分かります。事前の世論踏査で極右・自由党が政権を取るかとの見方もありましたが、結果は現与党の自由民主国民党が議席を減らしたものの、政権の座を守りました。
■4月、5月に実施されたフランスの大統領選挙では、オランダ同様極右の動向が注目されました。極右・国民戦線のルペン党首と中道系のマクロン氏が決戦投票に進んだ末、マクロン大統領が誕生しました。また、6月に実施されたフランス下院選挙では、就任したばかりのマクロン大統領が率いる新党・共和国前進が過半数を獲得して勝利しました。
【ポイント2】イギリスでは総選挙を前倒し
イタリアでは極左の勢いに陰り
■ポピュリズムの台頭懸念の発端となったイギリスでは、総選挙が前倒しされました。選挙結果は与党の保守党が過半数割れとなりました。メイ首相は北アイルランドの民主統一党の閣外協力を取り付けましたが、EUとの離脱交渉に向けた政権基盤固めは果たせませんでした。
■また、イタリアでは極左・五つ星運動が支持を伸ばしてきましたが、これも足元では勢いに陰りが見られます。
【今後の展開】9月にはドイツの総選挙が控える、“メルクロン”の強化なるか
■欧州の『選挙イヤー』の上半期を振り返ると、懸念された極右政党の政権奪取とはなっていません。下半期には、9月にドイツで総選挙が控えています。ドイツのメルケル首相と就任したばかりのマクロン大統領は、先日のEU首脳会談後に共同記者会見を行うなど、独仏の協調関係が目立ってきています。英国のEU離脱交渉においてEU側で強い発言権を持つドイツのメルケル首相は、総選挙で勝利を治め、マクロン大統領とともに“メルクロン”とも呼ばれる関係の強化とEUの結束を固めることができるのか。勝負は前哨戦となる州議会選挙からすでに始まっています。今のところ与党が優勢ですが、今後もその動向に注目です。
(2017年 6月 29日)
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