メキシコの金融政策(2017年6月)政策金利を0.25%引き上げ、ペソは底堅い動き
メキシコの金融政策(2017年6月)政策金利を0.25%引き上げ、ペソは底堅い動き
【ポイント1】政策金利を0.25%引き上げ
7会合連続の利上げ
■メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は22日、金融政策決定会合で政策金利(翌日物銀行間レート)を0.25%引き上げ、7.00%とすることを決定しました。政策金利引き上げは、7会合連続です。
■0.25%利上げは市場予想通りでしたが、今回は全会一致ではなく、据え置きを提案した委員がいました。
【ポイント2】足元のインフレは加速
金融政策は当面様子見の見込み
■5月の消費者物価の前年同月比は+6.2%と加速し、中銀の物価目標レンジ(+2~4%)を大きく上回っています。中銀は声明文で、6月の米国の利上げを考慮したうえで、インフレ期待を落ち着かせ、物価上昇率を目標(+3%)に近づけるために政策金利引き上げを決定したと説明しました。今後も物価上昇要因や中長期のインフレ期待、為替動向などを注視するとしています。
■ただし、中銀はこれまでの利上げ効果を見極めるため、当面様子見をする可能性が高いと見られます。
【今後の展開】メキシコペソは当面底堅い動き
■メキシコペソは、17年年初に過去最安値をつけましたが、北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しを含め、米トランプ政権による保護主義的な通商政策への懸念が後退したことで反発し、足元は1ドル=18ペソ台前半と、急落のきっかけとなった16年11月の米大統領選挙以前の水準に戻しています。
■米トランプ政権の政策が滞っており、NAFTAの再交渉は先行きが見えていませんが、市場の景気見通し(ブルームバーグ集計、2017年GDP成長率)が5月半ばの+1.5%から+2.0%に上方修正されるなど改善するなか、これまでの中銀の金融引き締めも後押しとなり、メキシコペソは当面底堅い動きとなりそうです。
(2017年 6月23日)
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