『フランス下院選挙』、マクロン新党が勝利

2017/06/20

<今日のキーワード>『フランス下院選挙』、マクロン新党が勝利

6月18日に行われた『フランス国民議会(下院)選挙』の決選投票で、先日選出されたばかりのマクロン大統領が率いる新党「共和国前進」が過半数を押さえる勝利をあげました。1年前には全くと言っていいほど注目されていなかったマクロン氏とその新政党が巻き起こす風は、揺らぐ欧州を結束させる可能性を秘めているとの論調もあります。今回は、『フランス下院選挙』と今後の欧州について焦点を当てます。

【ポイント1】マクロン新党が単独過半数を確保

「共和国前進」グループで6割を占める

 

■『フランス下院選挙』の2回目投票は18日行われ、即日開票されました。仏内務省によると、全577議席のうち、マクロン大統領の新党「共和国前進」が308議席を獲得して単独過半数を確保し、選挙協力している政党と合わせ、グループで全議席の約6割に当たる350議席を獲得しました。社会党や共和党など既存政党は軒並み議席を減らし、これまでの政治手法等は見切りをつけられた形です。ただ、投票率は42.6%と第5共和制の下で過去最低となり、幅広い有権者の支持を得たとは言えません。

 

【ポイント2】マクロン氏が政治基盤を固める

EU統合強化や経済改革を期待

 

■5月に就任したマクロン大統領は、下院選挙を経て政治基盤を固め、公約に掲げた欧州連合(EU)統合強化や経済改革などの実現へ足場を築くことが出来ました。

■マクロン大統領が目指す政策は、企業寄りと言われています。例えば、労働市場の柔軟性向上、年金制度改革等です。議会で過半数を得たことで、マクロン大統領は思い切った改革が可能となり、フランスがより強くなることが期待できます。

 

 

 

170620MK

 

 

【今後の展開】株式、為替市場は政治リスク後退を好感しよう

 

■フランスで安定政権が誕生したことで、次に注目されるのが、9月に議会選挙が行われるドイツです。現在の市場での見通し通り、メルケル首相が率いるキリスト教民主同盟(CDU)が勝利し、メルケル政権が継続すれば、今後経済的な繁栄が期待できる強固なユーロ圏の確立を目指して、独仏が協力してEUを主導していくと期待されます。このところ、米欧を席巻した大衆迎合主義(ポピュリズム)の勢いは弱まり、欧州の政治リスクは大きく後退することになります。

■フランス大統領選挙でのマクロン氏の勝利以降、欧州の株式市場や通貨ユーロは堅調地合いを維持しています。ユーロ圏の足元の堅調な経済と合わせ、政治の安定は世界的な資金を惹きつける可能性があり、今後のユーロ圏への資金流入と金融資産の価格上昇が期待されます。

 

 

(2017年 6月 20日)

印刷用PDFはこちら

『フランス下院選挙』、マクロン新党が勝利

 

関連マーケットレポート

2017年6月09日 英国の総選挙(速報)

2017年5月09日 「フランス大統領選挙」、マクロン氏勝利(欧州)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ