最近の指標から見る中国経済(2017年6月)底堅い動き、過熱気味の景気は安定成長へ
最近の指標から見る中国経済(2017年6月)底堅い動き、過熱気味の景気は安定成長へ
【ポイント1】鉱工業生産の伸び横ばい
小売売上高も横ばい
■5月の鉱工業生産は前年同月比+6.5%と、4月(同+6.5%)から横ばいとなり、市場予想(ブルームバーグ、同+6.4%)をやや上回りました。
■5月の小売売上高も前年同月比+10.7%と、4月(同+10.7%)から横ばいでした。同指標は市場予想通りでした。インターネット販売が高水準を保ちました。
【ポイント2】固定資産投資の伸び鈍化
不動産開発投資が減速
■1~5月の固定資産投資は前年同期比+8.6%と、1~4月(同+8.9%)から伸び率が鈍化し、市場予想(同+8.8%)を下回りました。不動産開発投資の減速などが要因です。
■不動産開発投資(1~5月)は同+8.8%となり、1~4月(同+9.3%)から伸び率が鈍化しました。引き締め気味の金融政策の効果が出始めた可能性があります。
【今後の展開】過熱気味の景気は安定成長へ向かおう
■中国国家統計局が14日発表した主要経済指標は、固定資産投資が前月から減速したものの、鉱工業生産や小売売上高は横ばいの伸びとなり、総じて底堅い動きでした。
■中国当局は、景気の過熱に伴うバブル発生を警戒しており、金融政策を引き締め気味に運営しています。足元の経済指標の動きは、1~3月にやや過熱した中国経済が引き締め策により緩やかに減速していく過程と考えられます。先行きは、政府目標(6.5%程度)並みの安定成長へ向かうと見られます。
(2017年 6月14日)
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