アジア・オセアニアのリート市場の動向(2017年4月) 堅調持続:金利低下や景気回復を好感
アジア・オセアニアのリート市場の動向(2017年4月) 堅調持続:金利低下や景気回復を好感
【ポイント1】3市場とも続伸
金利低下や景気回復を好感
■17年4月のアジア・オセアニアリート市場を現地通貨ベースで見ると、長期金利の低下や景気回復期待などを背景に、3市場とも続伸しました。
■香港市場は、世界的な長期金利低下の流れを好感して上昇しました。香港経済と密接な関係にある中国の経済成長率が市場予想を上回るなど、中国の底堅い景気動向も後押しとなりました。
■シンガポール市場は、1-3月期GDP成長率や3月の鉱工業生産などを通じて、景気に底入れ感がみられることや、相対的な利回りの高さが好感され、上昇しました。
■オーストラリア市場は、長期金利の低下や堅調な業績動向が評価されて上昇しました。鉄鉱石価格が急落して資源セクター株が弱含んだことも、出遅れていたリートに対する選好につながりました。
【ポイント2】円ベース騰落率もプラス
豪ドルの為替効果はマイナス
■アジア・オセアニアリート市場の4月の騰落率を円ベースで見ると、3市場ともプラスでした。ただし、円相場が対豪ドルで円高となったため、オーストラリア市場は小幅のプラスにとどまりました。
【今後の展開】好業績や相対的な配当利回りの高さが注目される
■アジア・オセアニアリート市場は、17年に入り、堅調地合いを維持しています。昨年末に急騰した長期金利が年初から緩やかに低下する過程で、相対的な魅力度のあるリートの見直しが進んでいます。米国の利上げは緩やかなペースで続く見込みであるため、長期金利の急上昇は想定しにくく、今後もアジア・オセアニアリート市場の好業績や相対的な利回りの高さが注目されると思われます。
(2017年 5月 11日)
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