豪州の金融政策は8会合連続の据え置き(2017年5月)雇用の改善、物価の安定等から豪ドルは底堅い展開へ
豪州の金融政策は8会合連続の据え置き(2017年5月)
【ポイント1】政策金利は据え置き
市場予想通り1.50%に決定
■豪州準備銀行(RBA)は5月2日に開催した金融政策決定会合で、政策金利を1.50%に据え置くことを決定しました。8会合連続の据え置きです。ブルームバーグ社の集計によれば、対象28名のエコノミスト全員が据え置きを予想していました。
【ポイント2】当面は現状維持の見通し
景気は緩やかな拡大、物価は安定
■景気については、引き続き緩やかな拡大を予想しています。足元の労働市場では、失業率が小幅に上昇したものの、雇用は堅調に推移していると評価し、先行指標の動きを見る限り、労働市場の改善基調に変化はないとの判断を下しました。
■インフレ率は、RBAの目標レンジの下限である+2%を下回った状態が続いています。しかし、今後は原油価格による下押し効果の一巡が見込まれることなどから、RBAは今後+2%に向かって緩やかに上昇すると予想しています。
■先行きの金融政策についての言及は今回も特にありませんでしたが、労働市場の改善や物価の安定に加え、RBAが懸念していた住宅市場の過熱に対して融資規制が導入されたことなどを踏まえると、今後も金融政策は中立が維持される見通しです。
【今後の展開】豪州通貨は底堅い展開へ
■豪ドルの対円相場は、欧州での政治的混乱の影響が後退したことから、4月末から戻り歩調を辿っています。今回の金利据え置きの決定に関しては、市場の予想通りだったことから、豪ドル相場への影響はほとんどありませんでした。
■RBAの中立姿勢維持に対して日銀の金融政策は緩和維持の姿勢であること、資源価格が持ち直してきたこと、豪州の国際収支が改善してきたことなどから、豪ドルの対円相場は底堅く推移すると予想されます。
(2017年 5月 2日)
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