インドの経済・市場動向(2017年4月)景気回復や落ち着いたインフレなどにより株式・債券とも堅調推移
インドの経済・市場動向(2017年4月)
【ポイント1】景気は安定成長、インフレは鈍化
個人消費が景気を牽引
■インド経済は高成長が続いています。2016年10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比+7.0%となり、高額紙幣廃止による個人消費への影響は限定的だったことが示されました。
■また、消費者物価は、降雨量が少なかった影響で高騰していた食品価格が鈍化してきたことで、インド準備銀行(中央銀行、以下RBI)の目標中心値である+4%を下回ってきました。インフレは今後も落ち着いた推移が見込まれます。
【ポイント2】株式・債券とも堅調推移
金融政策や政治の安定などが支えに
■金融政策については、インフレの鈍化を受け、RBIは15年1月から利下げを行ってきました。今後の政策金利は当面据え置きが見込まれます。また、今年は2月から3月にかけての地方選挙でモディ首相が率いる与党が大勝しました。これで7月に予定されている物品サービス税(GST)導入の可能性が高くなり、税金の簡素化や企業の税務コスト削減につながると考えられます。
■このような環境下で、インド株式、インド国債ともに特に2014年に入ってから概ね堅調な展開となりました。
【今後の展開】株式、債券ともに堅調な展開を予想
■インドは、もともと13億人程度の巨大な人口を擁する市場として注目されています。また、当面は上述の通り、景気回復や落ち着いたインフレ環境、そして税制改革進捗、さらには企業業績回復への期待などから、資金がインド株式に流入しやすい環境にあると見られます。
■インド債券については、利下げ後も相対的に見て国債の利回りは魅力的な水準にあり、海外の投資家などからの資金流入が引き続き見込まれます。ただし、RBIが過剰流動性を抑制するため引き締め方向の金融政策に動く可能性があり、その際は国債利回りの一時的な上昇に注意が必要です。
(2017年 4月 20日)
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