インドの金融政策(2017年4月) レポ金利は据え置き、上下限の政策金利を0.25%調整
インドの金融政策(2017年4月) レポ金利は据え置き、上下限の政策金利を0.25%調整
【ポイント1】3種類の政策金利の幅を縮小
金融政策スタンスは「中立」維持
■4月6日の金融政策委員会(MPC)でインド準備銀行(中央銀行、以下RBI)は、市場予想に反して政策金利を調整しました。RBIは政策金利の中心であるレポ金利を6.25%に据え置きましたが、下限政策金利のリバース・レポ金利を0.25%引き上げ、一方で上限政策金利のMSF金利を0.25%引き下げました。なお、金融政策スタンスは従来の「中立」が維持されました。
■昨年11月の高額紙幣の廃止・交換に伴う預金急増を背景に、金融市場では流動性が過剰となっており、銀行間金利は政策金利の中心のレポ金利を下回って推移しています。今回の政策変更は、この過剰流動性の吸収が目的と考えられます。
【ポイント2】インド経済は回復継続へ
インフレは上昇傾向が続く見通し
■インド経済は、高額紙幣の廃止・交換に伴い、経済活動が部分的に冷え込みましたが、この影響も解消に向かっています。RBIによれば、経済成長率を表す粗付加価値(GVA)成長率はこの3月末に終わった2016/17年度の6.7%から2017/18年度は7.4%に加速する見通しです。
■消費者物価上昇率は、2月の前年同月比+3.7%から今年の年末にかけて5%程度への上昇が見込まれています。その後は、緩やかに上昇率が鈍化し、RBIの目標である前年比+4%±2%の範囲に収まると見込まれています。
【今後の展開】インドへの資金流入が続く見込み
■良好な経済、インフレ環境に加え、政治・政策面でも追い風が吹いています。3月の地方選挙では、人口が最大の州で与党が大勝し、国政運営において政府与党が優勢になりつつあるとの見方が広がっています。また、一時遅れが懸念された物品・サービス税も今年の7月から導入される目途が立ちつつあります。
■通貨ルピーや株式市場は上昇していますが、経済、インフレ、政治・政策面は良好に推移すると見られ、インドへの資金流入は今後も持続すると期待できそうです。
(2017年 4月 7日)
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