メキシコの金融政策(2017年3月)政策金利を0.25%引き上げたが、利上げ幅は過去6回より小幅
メキシコの金融政策(2017年3月)
【ポイント1】政策金利を0.25%引き上げ
2015年12月以降8回目の利上げ
■メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は現地30日、金融政策決定会合で政策金利(翌日物銀行間レート)を0.25%引き上げ、6.50%とすることを決定しました。利上げ幅は市場予想(ブルームバーグ)に一致するものでした。
■中銀は、ガソリン価格の値上げなどを主因として、当分は消費者物価が目標値を上回って推移する可能性が高いことに言及しました。ただし、最近の通貨高の影響などでインフレ上昇リスクはやや後退していることもあり、過去6回の0.5%より小幅の利上げを実施するにとどめた模様です。
【ポイント2】ペソは年明け以降に堅調推移
米国の保護貿易懸念がやや後退
■ペソは、今年に入り上昇に転じています。これは、中銀が利上げに加え、2月には「為替ヘッジ・プログラム」と呼ばれる先物取引を利用した新たな通貨介入政策を導入したことなどが奏功しています。
■また、米国は新政権発足後、特に隣国のメキシコに対して厳しい姿勢を見せました。しかし、保護貿易主義的な通商政策や、移民の強制送還・新規受け入れ中止などに対する態度がやや軟化していることも通貨高要因になっています。
【今後の展開】ペソ相場は当面、落ち着きどころを探る展開を予想
■メキシコ経済は、雇用環境は悪くないものの、設備投資や輸出の低迷などで低成長が続いています。しかし、消費者物価が中銀の目標値を上回って推移していることや、米国で利上げが行われていることもあり、メキシコ中銀は今後も追加利上げを行う見通しで、通貨介入と共にペソを下支えすると予想します。
■しかし、米新政権の通商政策に関する強硬姿勢が再び強まる可能性は十分残っており、そうなればペソが売られる展開が予想されます。当面は、これらの材料を背景にペソ相場は落ち着きどころを探る展開を予想します。
(2017年 3月 31日)
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