「全人代」が閉幕(中国)
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「全人代」とは、“全国人民代表大会”の略称で、中国の国会に相当します。開催は年に1度で、地方の代表らがその年の政府の施政方針を示す政府活動報告や予算案などを審議し、承認します。3月5日から北京で開かれていた「全人代」は、15日に閉幕しました。今回の「全人代」では、2017年の経済成長率の数値目標が6.5%前後に引き下げられ、経済の安定成長の維持を重視する方針が示されました。 |
【ポイント1】17年の経済成長率目標は6.5%前後
習近平主席が“核心”の地位を固める
■中国の第12期「全人代」第5回会議が15日、閉幕しました。2017年に6.5%前後の経済成長率を目指すとした政治活動報告や初めて1兆元を超える国防費を盛り込んだ2017年度予算案などが承認されました。
■「全人代」では、習近平国家主席が別格の指導者である“核心”だと表現されました。習氏は共産党内での地位を一段と固めたと見られます。
【ポイント2】成長よりも安定を重視
金融リスクを注視
■李克強首相は「全人代」閉幕後の記者会見で、中国経済について「経済成長率目標の6.5%前後は低くない。発展しないのが最大のリスクだ」と述べ、安定成長を目指す考えを強調しました。
■また、「国内の金融リスクを注視している」とし、金融不安などで経済が失速するリスクを抑える方針を示しました。過度な金融緩和などを改める意向と見られます。
【今後の展開】引き続き安定的な経済成長が続く
■李克強首相は同時に、米中首脳会談の早期実現に向け調整中として意欲を示し、米中の協力関係を築くべきだとの立場を訴えました。「貿易戦争が起きれば、真っ先に被害を受けるのは米国企業だ」とも発言し、米国などで保護主義的な動きが高まることを牽制しました。また、人民元相場については安定を保つ方針を示しました。
■トランプ米政権の通商政策や米ドル高に伴う資金流出などの懸念材料はありますが、中国経済は財政政策や民間投資に支えられ、引き続き安定的な成長を続けると見られます。
(2017年 3月 17日)
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