好パフォーマンスで注目される「MLP」(米国)

2017/02/09

<今日のキーワード>好パフォーマンスで注目される「MLP」(米国)

米大統領選挙後の金融市場で好パフォーマンスをあげ、注目されている金融商品に「MLP」があります。「MLP(Master Limited Partnership)」は、米国の共同投資事業形態のひとつで、ニューヨーク証券取引所などに上場され取引されています。MLPは、その総所得の殆どを石油・天然ガスの採掘、精製、備蓄、輸送(パイプライン)といった資源エネルギー関連の事業から得ています。

【ポイント1】良好なパフォーマンス

昨年初来では、米国株式や米国リートよりも高いリターン

■米国の「MLP」の動向を示す代表的な指数であるアレリアン「MLP」指数は、2016年の年初から2017年2月6日までの約13カ月の間に+25.6%の上昇となりました。この間の米国ハイイールド債券指数の+19.8%、S&P500種株価指数の+16.6%、米国リート指数の+9.8%を上回っています(以上すべてトータルリターン指数の上昇率。トータルリターンは、投資商品への投資から得られる総合収益のことで、価格の上昇だけでなく、再投資された配当金や利払いも含めたもの)。

【ポイント2】米中経済の立ち直りや原油価格の上昇が追い風

注目を集める高い利回り

■良好なパフォーマンスの背景としては、世界経済のけん引役である米国、中国経済の持ち直しや原油価格の上昇と、それらを受けてリスク回避の動きが後退したことがあげられます。更に、「MLP」は収益の大半を投資家に分配するため配当利回りが相対的に高い、といった特徴が注目されたと考えられます。参考までに、2月6日におけるアレリアン「MLP」指数の配当利回りは6.68% 、米10年国債利回りは2.41%です。

■世界的な景気拡大や産油国間の協調減産等により、原油価格は底堅く推移すると予想され、MLPは堅調な展開が見込まれます。

 

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【今後の展開】トランプ新政権による規制緩和は「MLP」の収益拡大を支えよう

■米国のエネルギー生産拡大を公約に掲げるトランプ大統領は、エネルギー関連プロジェクトの承認過程簡素化や、エネルギー関連の規制緩和等を推進しています。その一環として、カナダ・アルバータ州と米国メキシコ湾沿岸を結ぶ原油パイプライン等の建設計画を推進する大統領令に署名しました。こうした規制緩和によって「MLP」の事業対象が拡大し、ひいては「MLP」の収益拡大に寄与すると考えられます。

(2017年 2月 9日)

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