インドの2017年度予算案 財政健全化路線の堅持とインフラ投資の拡大を両立

2017/02/03

インドの2017年度予算案 財政健全化路線の堅持とインフラ投資の拡大を両立

【ポイント1】財政健全化路線を堅持

■2月1日に政府は、今年度(2016年4月~2017年3月)予算の着地見込と、来年度予算案を発表しました。財政赤字の対GDP比は、昨年度の▲3.9%から、今年度は当初目標通りの▲3.5%に縮小後、来年度は▲3.2%に縮小する見通しを発表し、財政健全化路線を堅持する姿勢を示しました。来年度の▲3.2%と言う赤字水準は、市場予想中央値( ブルームバーグ) の▲3.3%を下回りました。

 

  20170203as1

 

【ポイント2】インフラと農家に手厚い配分

■鉄道や道路等のインフラ投資については、2016年度の着地見込が同予算を上回るとされ、2017年度予算についても2016年度着地見込と比べて+23.5%と大幅に増額することが示されました。

■また、インド全体の消費への影響が大きい、農家に対する農村雇用援助プログラム、農道整備、灌漑施設整備、電化推進などへの政府補助を大幅に増やしています。

 

20170203as2

 

 

【今後の展開】今後、格付け機関によるインドの格上げの可能性も

■来年度の予算案は、財政健全化路線の堅持とインフラ投資の拡大が両立する、バランスの良い内容と思われます。歳入の見積もりは保守的と見られ、来年度中のインフラ投資上積みの可能性もあると考えられます。インド経済の成長には追い風となることが期待され、株式市場にはプラスとなります。

■予算発表後、インドルピー(対米ドル)とインド株式市場はともに上昇しました。市場は今回の予算案を好意的に評価したと考えられます。財政健全化路線の堅持とGST(物品・サービス税)の導入(2017年7月目標)が実現すればインド国債の格上げ期待が高まることが予想されます。
(2017年 2月3日)

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー インドの2017年度予算案 財政健全化路線の堅持とインフラ投資の拡大を両立

関連マーケットレポート

2017年 1月25日 最近の指標から見るインド経済(2017年1月)

2017年 1月13日 インドの2016年度GDP見通し

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ