最近の指標から見るインド経済(2017年1月) インフレは引き続き低位安定
最近の指標から見るインド経済(2017年1月) インフレは引き続き低位安定
【ポイント1】CPI上昇率は鈍化傾向
引き続き食品価格の低下が寄与
■2016年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+3.4%と5カ月連続で鈍化しました。食品のインフレ率が前年同月比+1.4%と、11月の同+2.0%から鈍化したことが主な要因です。
■ 一方、卸売物価指数(WPI)は前年同月比+3.4%と11月の同+3.2%を上回りました。燃料・電力関連の上昇(11月同+7.1%⇒12月同+8.7%)が主な要因です。
【ポイント2】購買担当者指数は低下
高額紙幣廃止の影響か
■2016年12月の総合購買担当者指数は、47.6と前月の49.1から更に低下しました。これは、高額紙幣廃止にともなう新紙幣不足による混乱が背景にあると思われます。
■インド準備銀行(中央銀行、RBI)は、3月末までには新紙幣が市中に行きわたると見ていると思われ、経済の混乱は、間もなく落ち着きそうです。
【今後の展開】インフレ率は、食品価格低下と内需低迷で低位安定
■今後ともCPIは、資源価格の上昇基調などにより上振れる可能性はあるものの、足元、食品価格低下が続くことが見込まれ、比較的落ち着いた推移となりそうです。次回の金融政策委員会(2月8日)で、RBIが更なる利下げを行うのかが注目されます。
■一時的な新紙幣不足による経済の混乱収束後は、引き続き内需主導の景気拡大と、インフレの低位安定が予想されることから、インドの株式、債券、為替は堅調に推移することが期待されます。
(2017年 1月25日)
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