アジア・オセアニアのリート市場の動向(2016年12月) まちまちの動き:今後のアジアリートの見直しに期待
アジア・オセアニアのリート市場の動向(2016年12月)
【ポイント1】香港、シンガポールは下落
オーストラリアは上昇
■12月のアジア・オセアニアリート市場は、注目された米国の利上げが行われた後、各国の長期金利の推移を反映するかたちで、国別にはまちまちの動きとなりました。香港とシンガポールは下落しましたが、オーストラリアは上昇しました(現地通貨ベース)。
■香港は、米国の利上げ発表に連動して香港政府が政策金利を引き上げ、米国の利上げペースの加速観測を受けて長期金利が急上昇したため大幅に下落しました。
■シンガポールは、国内のマクロ環境が弱い一方で長期金利が高止まりで推移している状況が嫌気されて下落しました。
■オーストラリアは、長期金利の上昇ペースが過去3カ月よりも緩やかになったことで、堅調な業績や利回りへの注目が高まり、月間を通して上昇しました。
【ポイント2】円ベース騰落率もまちまち
為替効果はプラス寄与
■アジア・オセアニアリート市場の12月の騰落率を円ベースで見ると、香港が▲3.3%、シンガポールが▲1.8 %、オーストラリアが+7.1%でした。円安が進み、為替効果がプラスに寄与しました。
【今後の展開】相対的な配当利回りの⾼さや成長期待から注目されよう
■アジア・オセアニアリート市場は、従来2回とされていた2017年の米利上げ見通しが3回と修正されたことによる金利上昇やドル高観測が影響して、今後の展開がやや見通しにくい状況になっています。ただし、グローバルリート市場が反発するなか、金利上昇に対する織り込みはかなり進んだと見られるため、相対的な配当利回りの高さや成長期待から、アジア・オセアニアリート市場が改めて注目されるものと期待されます。
(2017年 1月13日)
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