ブラジルの金融政策(2017年1月)予想を上回る0.75%利下げ:新たな利下げペース示唆
ブラジルの金融政策(2017年1月)予想を上回る0.75%利下げ:新たな利下げペース示唆
【ポイント1】予想超える0.75%利下げ
3会合連続の利下げ
■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は、11日の通貨政策委員会で、政策金利を13.75 % から13.00%に引き下げることを全会一致で決定しました。0.75%の利下げは市場予想(ブルームバーグ、0.5%)を上回るものでした。利下げは3会合連続で、過去2回は0.25%ずつの利下げでした。
【ポイント2】新たな利下げペース示唆
インフレ率が一段と低下
■16年12月の消費者物価指数は前年同月比+6.29%と大きく低下し、16年の目標レンジ内に入りました。中銀は声明で、足元のインフレ率を予想以上に好ましい動きと評価し、インフレ率の見通しも、17年、18年と一段の低下を見込んでいます。
■インフレ率の低下を受けて、中銀は、今後新たなペースで利下げを行うことが可能としました。これは、インフレ率の鈍化や国内経済の弱さが想定を上回る一方、世界的なリスクが懸念したほどではないため通貨安に備える必要性が低いことが背景と考えられます。中銀は、リスク要因が顕在化しなければ0.75%のペースで利下げを行うものと見られます。
【今後の展開】ブラジルレアルは堅調な動き
■ブラジルの通貨レアルは、米大統領選でのトランプ氏の勝利を受けた世界的なドル高で、一時大幅に下落しましたが、資源価格の上昇もあって足元では持ち直し、対米ドル、対円で上昇基調にあります。11日の中銀の利下げ幅は市場予想を上回りましたが、レアルの下げ幅は限定的な動きとなっています(NY引け値時点)。テメル大統領が財政赤字に歯止めを掛ける改革を進めていることや、中銀が積極的な金融緩和を行っていることから、ブラジルの景気回復期待が支えとなり、レアルは堅調な動きが続くと見込まれます。
(2017年 1月12日)
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