引き続き良好な米国の雇用統計(2016年12月)7年半ぶりの高い伸び率となった賃金

2017/01/10

引き続き良好な米国の雇用統計(2016年12月)7年半ぶりの高い伸び率となった賃金

 

【ポイント1】雇用者数は15.6万人増

過去2カ月で2万人弱の上方修正

■2016年12月の非農業部門雇用者数は前月比15.6万人増となり、市場予想(ブルームバーグ集計)の同17.5万人増を下回りました。

■もっとも、①過去2カ月合計で1.9万人ほど上方修正された、②建設業の雇用が減少したが、これは天候悪化が原因と見られる、などを踏まえると、雇用の実勢は見かけよりも良好と評価できます。

  20170110us1

 


【ポイント2】失業率は小幅上昇

賃金は堅調に上昇

■失業率は前月の4.6%から4.7%に上昇しました。就業者数は増加(労働需要の拡大)しましたが、労働力人口がそれを上回る増加(労働供給の増加)となったためです。労働市場の悪化を示すものではありません。

■他方、賃金は前月比0.4%増、前年同月比2.9%増となりました。上昇基調にある自発的離職者(自らの意思で退職する自己都合退職者)比率が示す通り、労働需給が引き締まってきているため、賃金も緩やかに増加すると予想されます。

 

20170110us2


【今後の展開】株価、米ドルは上昇

■雇用統計が公表された1月6日の米国株式市場は上昇、国債価格は下落(国債の利回りは上昇)、外為市場では米ドルが買われ、円が売られました。特にダウ平均株価は一時1万9999.63ドルと、2万ドルの大台にあと一歩まで迫りました(終値は前日比64.51ドル高の1万9963.80ドル)。雇用者数の伸びは市場予想を下回ったものの、賃金上昇率が加速したことを高く評価したためです。

■米国経済は、良好な雇用・所得環境を背景とする個人消費の順調な増加を支えに、拡大を続けています。トランプ次期政権のもとでは、これに公共投資の増額が加わるため、経済の成長ペースは一段と速まる見込みです。金利には上昇圧力がかかると見られますが、景気拡大の持続により企業利潤の増加の勢いも強まると予想されます。株価は、業績の伸びに沿った動きになる見通しです。

(2017年 1月10日)

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー  引き続き良好な米国の雇用統計(2016年12月)7年半ぶりの高い伸び率となった賃金

関連マーケットレポート

2016年 1月 6日 「FOMC議事要旨」と金融政策(米国)

2016年12月27日 2017年の米国経済及び株式・債券市場の見通し

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ