「FOMC議事要旨」と金融政策(米国)

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「米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨」は、FOMCから3週間後に公表されます。FOMC終了直後に公表される声明文で景気や物価、金融政策に関する判断が明らかにされますが、議事要旨はその判断に至るまでの議論が記録され、より詳細な情報を得ることができます。2016年12月13日~14日に開催されたFOMCでは政策金利が引き上げられ、その内容に関する議事要旨が17年1月4日に公表されました。

【ポイント1】米国経済の見通しに対する確信が強まる

先行きについては、従来通り緩やかな利上げで概ね一致

■昨年12月13日~14日のFOMCでは0.25%の利上げが決定されました。今回、公表された議事要旨では、米連邦準備制度理事会(FRB)の二つの使命である「最大限の雇用」と「物価安定」に向かって、米経済が着実に前進しているとの確信が得られたことが、その理由として挙げられています。

■先行きについても、従来通り「緩やかな利上げ」で概ね一致しました。ひとつには、現行の政策金利の水準が低く、景気が悪化しても利下げを行う余地が小さいことから、急激な利上げによる景気失速のリスクを避ける必要があるためです。

【ポイント2】トランプ新政権の財政政策は景気見通しの上振れリスク

失業率は下振れリスク

■議事要旨によれば、参加者のほぼ全員が、「今後数年にわたって拡張的な財政政策が見込まれることから、経済見通しに対する上振れリスクが高まった」ことを示唆しました。

■他方、多数の参加者が「失業率が長期的な均衡水準を大幅に下回るリスク」が若干高まったと述べ、潜在的な物価上昇抑制のために利上げが必要となる可能性を指摘しました。しかし、物価上昇率が依然としてFRBの目標値を下回っている状況を踏まえると、失業率の小幅な下振れは、むしろ物価目標達成を支える要因になるとの見方を示しました。

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【今後の展開】今年は2回程度の利上げ見通し

■今回の「FOMC議事要旨」は、さほどタカ派的ではないとの見方から、ニューヨーク市場の株価は上昇、為替市場では円高・ドル安が進行しました。一方、債券利回りは小幅低下しました。

■物価上昇率がFRBの目標である+2%に到達するのは18年以降と予想されること、さらに米ドル高が進行していることなどから、年内の利上げは2回、合計0.5%程度にとどまる見込みです。

(2017年 1月 6日)

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