2016年の振り返り(世界の債券市場)米景気の持ち直し、トランプ氏勝利を受け利回りは上昇

2016/12/29

2016年の振り返り(世界の債券市場)米景気の持ち直し、トランプ氏勝利を受け利回りは上昇

 

【ポイント1】国債利回りは年後半に上昇

米景気の持ち直しなどが背景

■2016年前半の主要国の10年国債利回りは、低下しました。中国や米国経済の減速、原油価格の値下がり、英国の欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う国民投票での賛成派の勝利などから、危険回避の動きが強まったためです。年後半は、米国経済が持ち直してきたうえ、米大統領選で、財政支出拡大による景気刺激を唱えるトランプ候補が勝利したことなどを受け、債券利回りは急上昇しました。

■一方、ブラジル、トルコ、メキシコなど新興国の10年国債利回りも概ね年前半は低下傾向を辿りましたが、後半は上昇しました。特に、トランプ米大統領誕生で、保護貿易などマイナスの影響を受けると見られるメキシコの上昇が目立ちました。

  20161228gl1

 

【ポイント2】ハイイールド債は堅調

相対的に高い利回りが魅力

■米国の地方債、社債利回りも、年前半は低下傾向を辿ったものの、後半は上昇しました。そうしたなかにあって、ハイイールド債は底堅く推移しています。世界的に国債利回りが低下するなか、相対的に高い利回りが注目されたと考えられます。

 

20161228g2


【今後の展開】金利上昇圧力は限定的

■新大統領の景気刺激的な政策への期待から、しばらくは国債利回りに上昇圧力がかかる見通しです。しかし、実際の政策が明らかになるにつれ、落ち着いた推移になると予想されます。一方、投資適格債、ハイイールド債への資金流入は続くと考えられます。企業業績の改善が見込まれ、債務不履行が低い水準で推移すると見られるからです。

(2016年12月28日)

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー 2016年の振り返り(世界の債券市場)米景気の持ち直し、トランプ氏勝利を受け利回りは上昇

関連マーケットレポート

2016年12月27日 2017年の米国経済及び株式・債券市場の見通し

2016年12月15日 米国の金融政策(2016年12月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ