安定重視の「中央経済工作会議」(中国)
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「中央経済工作会議」は、中国の共産党と政府が年に1度、翌年の経済政策運営の方針を決めるために開く、経済関連で最高レベルの会議です。例年11月下旬~12月中旬に2~4日間の日程で開かれます。総書記ら党最高指導部に加え、閣僚、地方政府や大手国有企業、軍の幹部らが参加し、成長率や物価など経済運営の目標を議論します。具体的な目標値は翌年3月の全国人民代表大会で公表されます。 |
【ポイント1】経済の安定を重視
構造改革より経済安定を優先
■中国の「中央経済工作会議」が12月14~16日に開催されました。同会議は、2017年の経済運営について、経済の安定を図ったうえで、過剰生産能力削減などの構造改革を進展させる方針を示しました。昨年の同会議と比較すると、経済の安定を構造改革よりも重視する姿勢が明らかになったと受け止められています。最高指導部の多くが入れ替わる来秋の共産党大会をにらみ、経済の安定が優先されたと見られます。
【ポイント2】財政政策をより積極化
金融政策は景気中立型へ変更
■財政政策は、より積極的に運営する方針が示されました。公共投資や減税などの財政政策を継続し、引き続き景気を下支えします。
■金融政策は、緩和型から景気中立型へ変更する方針が示されました。同会議は、これまでの金融緩和によって、住宅投機の誘発を通じて住宅価格高騰を招いたことへの反省を指摘しました。インターバンク金利は既に足もとで小幅上昇しており、金融緩和はやや後退することになります。
【今後の展開】不動産バブル抑制に力を入れる方針
■同会議は、「不動産は住むもので投機の対象ではない」と強調し、不動産バブルを抑制する方針を示しました。安易な住宅ローンの拡大が金融システムの動揺をもたらすリスクがあるだけでなく、住宅価格の高騰が国民の不満を通じて社会不安の芽になりかねないためです。不動産バブル抑制のために、地方政府に対して、住宅用地の土地供給を求める方針も示しました。
■以上を踏まえると、来年の中国経済は、不動産バブル崩壊を引き起こすことなく、財政政策に支えられ、安定的に推移すると見込まれます。
(2016年12月22日)
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