日銀の金融政策(2016年12月)金融政策の据え置きと円安傾向が続く見込み

日銀の金融政策(2016年12月)金融政策の据え置きと円安傾向が続く見込み

 

【ポイント1】金融政策を据え置き

市場の予想通り

■12月20日、日銀は金融政策決定会合で、市場の予想通り金融政策の現状維持を決定しました。

■短期の政策金利は▲0.1%、長期金利である10年物国債金利は0%程度に操作する金融調節を維持し、長期国債の買い入れペースも年約80兆円目途に据え置きました。また、長期国債以外では、ETFおよびJ-REITについてそれぞれ保有残高を年間約6兆円、約900億円に相当するペースで増加するよう買入れることなども据え置きました。  

【ポイント2】景気判断は上方修正

今後緩やかな拡大に転じる見込み

■日銀は、景気について、輸出や鉱工業生産は持ち直していると、前回判断の横ばいから判断を引き上げました。また個人消費についても前回会合での、一部に弱めの動きがみられる、といった文言がなくなり、底堅く推移していると見ています。日銀は、今後の日本経済について、極めて緩和的な金融環境や政府の大型の経済対策、海外経済の改善を背景として、緩やかな拡大に転じていくと見ています。


【今後の展開】円安傾向が続く見込み

■日銀は、2%の物価目標を掲げていますが、予想物価上昇率は弱含みの局面が続いていると判断しています。日銀は、物価は当面小幅のマイナスないし0%程度で推移する一方、需給バランスの改善から、中長期的な予想物価上昇率の高まりによって、2%に向けて上昇していくと見ています。

■先週、米国では利上げが実施され、来年は従前の予想より早いペースでの利上げが想定されている一方、日銀は当面金融政策の現状維持が見込まれます。トランプ次期大統領が選出されて以降、株高、円安となっていますが、今後も内外金利差の拡大に連れて円安傾向となる可能性があります。

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(2016年12月20日)

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