基準改定で修正された「GDP」成長率(日本)

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「GDP」は、Gross Domestic Productの頭文字をとったもので、国内総生産のことです。国内で一定期間に生み出される財とサービスの付加価値の総額を金額換算した、国の経済活動の規模を測るモノサシといえるものです。経済成長率は、基本的に「GDP」の伸び率で表されます。5年に一度、基準が改定されますが、今回2016年7-9月期の改定値から、新たな国際基準である「2008SNA」を基に算出されました。

【ポイント1】2016年7-9月期の実質「GDP」成長率は下方修正

大きな修正はないと見られていたため、ややサプライズ

■12月8日に発表された2016年7-9月期の実質「GDP」成長率の2次速報は前期比+0.3%(前期比年率+1.3%)と、1次速報の同+0.5%(同+2.2%)から下方修正されました。需要項目別に見ると、個人消費や民間住宅投資は上方修正された一方、企業の設備投資などが下方修正されました。

■12月1日に発表された法人企業統計からは、今回の2次速報は1次速報から大きな修正はないとの見方が多くあったため、今回の修正はややサプライズとなりました。

 

【ポイント2】新基準「2008SNA」に対応

2013~2015年度のGDPは上方改定

■今回の2次速報は、通常の1次速報からの改定に加えて、新しい国際基準の「2008SNA」に基づいて算出されました。主な変更点としては、これまで「GDP」に含まれていなかった企業の研究開発費を、付加価値を生む投資と捉えて「GDP」に含めることになりました。

■2013~2015年度の「GDP」は基準改定により、0.4~0.6%上方改定されました。2013年度は建設部門の推計手法の改善、2014年度は上記の「2008SNA」により、それぞれ設備投資が、2015年度は速報から年次推計にかけた詳細な基礎統計の反映により個人消費が、上方改定要因となりました。

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【今後の展開】安倍政権の名目「GDP」600兆円目標の達成が見えてきた

■基準改定に伴って企業の研究開発費が「GDP」に算入されたことなどから、2015年度の名目「GDP」は532兆2千億円と、改定前の500兆6千億円から30兆円超も大きくなりました。今後も2013~2015年度と同程度(平均2.5%程度)の名目成長率が維持できれば、安倍政権が掲げる2020年頃までに名目「GDP」を600兆円とする目標は達成出来そうです。

(2016年12月 9日)

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