投資環境を考える⑦ 「長期・分散・積立投資」

<今日のキーワード>投資環境を考える⑦ 「長期・分散・積立投資」

日本では当面金融緩和が続きそうな中、低金利下でも緩やかながらインフレ(物価上昇)が進行しています。インフレに備えた資産形成のために、前回まで、債券、株式、リートといった主要な3資産と、海外資産への投資の際に関わる為替の特徴や変動要因などについて見てきました。シリーズ最後となる今回は、価値が変動するこうした有価証券への投資において、上手にリスクと付き合う方法を見ていきます。

【ポイント1】「長期投資」と「分散投資」

長い目で、投資先を分けて投資することで、利益を平準化し、リスクを抑える

■債券や株式、リートといった有価証券や為替は日々変動しています。上手くタイミングをとらえることができれば、大きな利益が期待できますが、逆に大きな損失となることもあります。こうした値動きの振れを「リスク」と言います。この「リスク」と上手に付き合うためにいくつか方法があります。

■まずは「長期投資」です。「長期投資」では、価格の変動を日々で見るのではなく、長い期間で捉えます。すると、保有期間が長くなるにつれて、ならせば値動きの振れが小さくなる傾向にあります。また、「長期投資」では、途中に発生する利子や分配金を再投資することができ、投資で得た利益を投資元本に加えることで、さらなる利子や分配金、元本差益(差損)を得る「複利効果」が期待できます。

■次に「分散投資」です。例えば、債券と株式など値動きの異なる資産を合わせ持つことで、保有する資産のうちいずれかが値下がりしても、他の資産が値上がりし損失を相殺することが期待できます。すなわち常に強い資産に投資して高い利益を狙うのではなく、投資先を分散することで利益を平準化し、リスクを抑えるということです。また異なる国・地域に「分散投資」すると、異なる景気の下で、様々な値動きを捉えることができます。

 

【ポイント2】「積立投資」

多くの投資機会に分散してコツコツ投資する

■投資で利益を得るためには、“安いときに買って、高いときに売る”ことが一番です。しかし、こうしたタイミングを完璧に見極めることは難しいと言われます。今が一番安いと思って購入しても、その後さらに値下がりするかもしれません。購入時期を分散させて、リスクを分散させる方法の1つが「積立投資」です。「積立投資」では、毎回一定額を定期的に購入することで、投資タイミングに悩むことなく、コツコツと投資額を積み増して、徐々にまとまった投資とすることができます。

 

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【今後の展開】将来に備えて、リスクと上手に付き合い、資産運用をより身近なものに

■長寿化が進み、資産の面でも将来に備える必要性が高まってきています。「長期・分散・積立投資」をリスクと上手に付き合う方法として参考にすると、 難しいと思われる資産運用もより身近なものとなりそうです。

(2016年12月 1日)

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