ユーロ圏のGDP成長率(2016年7-9月期速報値)7-9月期は前期比+0.3%、堅調を維持する見通し
ユーロ圏のGDP成長率(2016年7-9月期速報値)
【ポイント1】7-9月期は前期比+0.3%
英国のEU離脱選択の影響は限定的
■2016年7-9月期のユーロ圏の実質GDP成長率(速報値)は前期比+0.3%と、4-6月期と同水準の伸びとなりました。前期と同様に内需、特に個人消費の成長が続いたと見られます。英国のEU離脱選択が景気見通しの下振れリスクとして意識されていましたが、今のところ域内経済への影響は限定的と見られます。
【ポイント2】来年前半にかけ堅調な見通し
輸出見通しが改善傾向
■足元では景気の先行指標における輸出期待がドイツを中心に改善しています。特に、自動車販売統計については、米国向けが弱い一方で、中国向けが増加基調で推移するなど、ドイツの輸出を取り巻く環境がやや改善する可能性が出てきました。10月のIFO輸出期待DIでも自動車は大きな上昇が見られました。
■輸出見通しが改善していることから、2017年1-3月期にかけて、当面は景気の拡大が続く見通しです。
【今後の展開】長期金利は緩やかにレンジを切り上げる展開へ
■10月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)は、前年比+0.5%と、前月の同+0.4%から若干加速しました。価格変動の大きいエネルギーの物価下押し圧力が薄まっており、インフレ率は当面緩やかに上昇すると見られます。
■景気が堅調に拡大し、物価が緩やかに上昇すると見込まれることに加え、来春以降はECBの金融緩和の縮小への思惑が徐々に高まると思われ、長期金利は緩やかにレンジを切り上げる展開になると考えられます。
(2016年11月 2日)
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