最近の指標から見る中国経済(2016年10月)GDP成長率は6.7%、安定成長が続く
最近の指標から見る中国経済(2016年10月)GDP成長率は6.7%、安定成長が続く
【ポイント1】実質GDPは6.7%
3期連続の横ばい
■中国国家統計局が19日発表した16年7-9月期の国内総生産(GDP)は、物価変動を除く実質で前年同期比+6.7%でした。習近平指導部の16年の目標である「6.5~7.0%」の範囲内であり、市場予想(ブルームバーグ)と同じでした。7-9月期は長江の洪水被害の影響が懸念されましたが、公共投資が下支えしたと見られます。GDP成長率は3期連続で横ばいとなりました。10-12月期の成長率も横ばいが見込まれます。
【ポイント2】固定資産投資の伸び拡大
民間投資の伸びが加速
■19日発表の1~9月の固定資産投資は前年同期比+8.2%と、1~8月(同+8.1%)から伸び率が小幅拡大しました。固定資産投資全体の6割を占める民間投資の伸びが同+2.5%と、1~8月(同+2.1%)から加速したためです。民間投資は今年に入って急減速しましたが、ここに来て底入れしつつあります。
【今後の展開】中国政府の政策運営により景気は安定的な推移へ
■9月の生産者物価指数は前年同月比0.1%上昇しました。前年同月の水準を上回ったのは2012年2月以来4年7カ月ぶりで、中国のデフレ圧力は弱まりつつあります。最近の鉄鋼や石炭の値上がりが主な理由ですが、これは、インフラ投資による素材需要の増加によって、需給ギャップが縮小に向かっていることが背景です。今後も中国政府は財政政策を中心にした景気下支えを継続すると見られます。こうした状況下、中国景気は安定的に推移することが期待されます。
(2016年10月19日)
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