アジア・オセアニアのリート市場の最近の動向(2016年9月)高い利回りに支えられ底堅い推移へ
アジア・オセアニアのリート市場の最近の動向(2016年9月)
【ポイント1】グローバル市場は下落
米国の利上げ観測が背景
■9月のグローバル・リート市場は、現地通貨ベースで1.6%の下落となりました。北米、欧州、オセアニアなど下落した地域が目立ちました。FRB(米連邦準備制度理事会)は9月の利上げを見送りましたが、年内の利上げ観測が根強く、利上げを警戒して下落したリート市場の戻りは鈍いものとなりました。
■アジア・オセアニア地域を現地通貨ベースで見ると、月間でオセアニアが4.3%の下落、アジアが1.6%の上昇となりました。
【ポイント2】円ベースも下落
円高がマイナス寄与
■9月のグローバル・リート市場は、円ベースで3.1%の下落となりました。現地通貨ベースと比べて下落幅が広がったのは、為替市場で、FRBの利上げが緩やかなペースとなるとの見方が強まったことでドルが弱含むなか、各国通貨に対し円高となったためです。
■アジア・オセアニア地域を円ベースで見ると、月間でオセアニアが4.6%の下落、アジアが0.8%の上昇となりました。オセアニア(豪州)は、長期金利の上昇が重しとなり下落しました。アジアは、円高の影響で香港が下落、シンガポールがほぼ横ばいでした。
【今後の展開】アジア・オセアニアの高い配当利回りが相場の支えに
■米国では年内の追加利上げ観測が強いものの、その後の利上げはゆっくりとしたものになると予想されます。アジアや欧州では依然金融緩和政策が継続しています。低金利環境のもと、利回りを求める動きは根強く、リートに対する需要は底堅いと見られます。とりわけアジア・オセアニアのリートは、配当利回りが高いことがサポート要因となることに加え、高い経済成長を背景に、業績拡大と増配が見込まれるため、徐々に持ち直すと期待されます。
(2016年10月12日)
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